リレーシーケンス図をPLCへ変更する方法について
シーケンス制御をする場合には主に有接点のリレーを使ったシーケンス図とPLC(シーケンサ)を使ったラダー図による2つの方法があります。
現場などで確認すると両方とも使われていることが多いですが、改造などでより複雑な動き、省配線としたい場合などではリレーシーケンスからPLC(シーケンサ)に変更して回路を組む場合もあります。
今回はPLCを使うメリット、またリレーシーケンス図からPLCへ変更する方法を簡単な回路を使ってわかりやすく紹介していきたいと思います。
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シーケンス図とは
【シーケンス図】
各制御機器の図記号を配列し、動作の内容を理解しやすくした図のことで『展開接続図』とも呼ばれる。
下記がリレーを使ったシーケンス図となります。
上記のシーケンス図での動作はBS1(ボタンスイッチ)を押すとR1(リレーコイル)がON⇒R1-a1(リレー接点)が閉⇒自己保持となりR1のコイルがONした状態のままとなる⇒同時にR1-a2(2つ目のリレー接点)がON⇒L(ランプ)が点灯となる。
このようにリレーをスイッチとして利用し、組み合わせることで制御をする方法です。
シーケンス図の通り、配線を各機器に一本づつ接続していくのでどうしても複雑になってしまいます。
ですが、シーケンス制御の基本として現在でも用いられているのでよく理解しておく必要があります。
シーケンス制御をするにはまずシーケンス図について覚えておきましょう。
ではこのリレーシーケンス図をPLCを使ったラダー図へ変更するにはどのようにしたらいいか説明していきますね。
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リレーシーケンス図からPLCを使ったラダー図に変更する方法
【ラダー図】
PLC(シーケンサ)で使われる言語をラダー図と呼び、リレー回路をパソコンの画面で簡単に制御できるようにしたもの。
下記が前述で紹介したリレーシーケンス図をPLC(シーケンサ)に変更する場合に必要な入出力部分(ハード図)です。
次に入出力(ハード図)を元にラダー図(ソフト図)を作成した回路が下記のようになります。
前述のシーケンス図で紹介した制御をPLC(シーケンサ)に変更する場合は上記のように入出力部分(ハード図)とラダー図(ソフト図)の2つが必要となります。
まずはPLC(シーケンサ)にスイッチやセンサーの『入力X』とランプ、ブザー、電磁弁などの『出力Y』の配線を行い、次にラダー図を作成していきます。
ラダー図ではシーケンス図のR1のリレーコイルや接点の代わりに内部リレー『M』と呼ばれる仮想的なリレーを使います。
また他にタイマーなどが必要であればPLC内部に組み込まれているタイマー『T』を使い、入力~出力までの間の制御を行っていきます。
PLC(シーケンサ)はリレー回路をソフトウエアで置き換えられるように開発されているので、リレーを使ったシーケンス図と同じ動作の制御を行うことができます。
現在の生産工場などではPLC(シーケンサ)が使われているのが一般的だと思われます。
リレー回路だけで組まれているのは単体の簡単な機械や古い機械などで多く使われています。
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PLCを使ったラダー図に変更するメリットとは?
【省配線】
大きな違いとしては、シーケンス図ではリレーを使って実際に配線をしていかないといけませんが、PLCを使った場合は内部リレー『M』と呼ばれる仮想的なリレーを使い制御をすることができます。
この内部リレーMを使うことでシーケンス図では配線しなくてはならない部分をパソコン上のラダー図で作成することができ、また他に、タイマーやカウンタなどの機能がPLC本体の中に組み込まれているので省配線となります。
【修理箇所の発見が容易】
リレーを使ったシーケンス図だとトラブルが発生した場合にテスターを使いどの部分が悪いのか探していくので、どうしても手間と時間がかかり、生産に影響を与えてしまいます。
PLCなどを使ったラダー図だとパソコン上でトラブル箇所を発見することができ、また応急的に修理をする時でも回路編集すればとりあえず生産をストップさせずに動かすこともできたりします。
【動作変更や改造が容易】
動作変更や改造の際にもシーケンス図だとタイマーやリレーなどの追加、配線のやり直しをしなければいけないがラダー図だとパソコン上で回路編集をすれば動作の変更や改造が容易にできるので経済性にもすぐれているのがわかるかと思います。
単独の機械で動作が少ないのであればリレーを使ったシーケンス図で十分ですが、動作が多い機械や将来的に追加したい時などは、PLCを使ったラダー図で作成した方がいいですよ。
【関連記事】
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まとめ
✔シーケンス図
各制御機器の図記号を配列し、動作の内容を理解しやすくした図のことで『展開接続図』とも呼ばれる
✔ラダー図
PLC(シーケンサ)で使われる言語をラダー図と呼び、リレー回路をパソコンの画面で簡単に制御できるようにしたもの
✔リレーシーケンス図からPLCを使ったラダー図に変更する方法
・入出力部分(ハード図)とラダー図(ソフト図)の2つが必要
・入出力部分(ハード図)・・・PLC(シーケンサ)にスイッチやセンサーの『入力X』とランプ、ブザーなどの『出力Y』の配線
・ラダー図(ソフト図)・・・リレーコイルや接点の代わりに内部リレー『M』と呼ばれる仮想的なリレー、また、タイマーなどが必要であればPLC内部に組み込まれているのでタイマー『T』を使い、入力~出力までの間の制御を行う
✔PLCを使ったラダー図に変更するメリット
・省配線
・修理箇所の発見が容易
・動作変更や改善が容易
以上。
このように説明するとリレーシーケンス図は必要ないかと思いますが、リレーを使ったシーケンス図の機械もまだまだたくさんあり、また、簡単な機械であればリレーシーケンス図の方がメリットがあったりするのでしっかり覚えておきましょう。
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