PLCラダー図の内部リレーMの使い方!出力リレーYとの違いとは!?

2023年5月1日

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PLCラダー図ではプログラム上で使用できる内部リレーがあり、この内部リレーを利用してたくさんの条件を組んでいくことができます。

ですが、内部リレーの使い方を知らないと、完成後に回路を確認しようとしてもわかりにくい回路となってしまい、修理や修正などの時に時間がかかってしまいます。

他の人が見てもわかりやすい回路にしておかなければいけません。

今回は内部リレーMの使い方や出力リレーYの違いなどわかりやすく解説していきたいと思います。

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内部リレーMとは

【内部リレー】

外部へ直接出力することのできないシーケンス内の補助リレーのこと

PLCのラダー図(プログラム)を使用して作成する場合、入力リレーや出力リレーだけでは、複雑な回路を組むことができません。

複雑な回路を組む場合に、この『内部リレー』を利用します。

内部リレーはラダー図の中だけで使用される仮想的につくられたリレーの意味でその他の呼び方として、『補助リレー』『仮想リレー』とも呼ばれます。

また、内部リレーを表す番号として、『M』をつけたもので表しています。

この内部リレーを上手く利用することで他の誰が見てもわかるようにラダー図を組んでいかなければいけません。
では内部リレーMがどのように使われるか説明していきますね。

関連記事:『PLCの入力ユニットと出力ユニットへの接続方法や種類についてわかりやすく説明!』

内部リレーMを使った回路例①

下記が内部リレーM回路例①です。

上記の回路では条件1(M10)と条件2(M11)の回路どちらかがONになると出力Y1がONになるようになっています。

・『条件1』の回路がONになると出力Y1がON

・『条件2』の回路がONになると出力Y1がON

内部リレーMを使用せずに出力リレーY1だけで、条件1、2の時にONさせる回路を作成する場合は、わかりづらい回路になってしまうので、このように内部リレーMで条件を分けておくと後で確認しやすくなります。

また、動きが複雑になるとさらに条件が増えてしまうので内部リレーを上手に使って作成していきましょう。

実際には条件がかなり多いので出力リレーYだけでは不可能となります。
基本は条件を内部リレーで組み、最後に出力リレーYをONさせるようにします。

関連記事:『シーケンス制御の基本回路はAND回路とOR回路とNOT回路の3つ!?詳しく解説!』

内部リレーMを使った回路例②

下記が内部リレーM回路例②です。

上記の回路では入力条件がONされたことを記憶しておく時に内部リレーを使用した回路です。

【動作説明】

入力条件X1がON⇒内部リレーM10が自己保持となりM10の接点が閉⇒入力条件X2がON⇒M10の接点が閉となっているのでM11がONとなり自己保持⇒M11の接点が閉となっているので入力条件X3がONで出力Y1が動作⇒同時にT0(タイマーコイル)がON⇒5秒後にT0の接点が開となりリセットされる

このように入力条件がONされたことを自己保持回路で記憶しておき、その条件がON状態の時に次の動作を成立させる場合に内部リレーを使用します。

他にもパルスやパルフなどの命令を使用する場合の出力先として内部リレーが使われたりします。
この2つの命令については下記の記事参考にしてみてくださいね。

関連記事:『PLCの基本命令PLS(パルス)とPLF(パルフ)の使い方!実際のラダー例も交えて紹介。』

まとめ

✔内部リレー

・外部へ直接出力することのできないシーケンス内の補助リレーのこと

・他の呼び方として『補助リレー』、『仮想リレー』とも呼ばれる

・条件を内部リレーMで組み、最後に出力リレーYをONさせるようにする

・内部リレーは一時記憶リレーとしても利用される

以上。

内部リレーを上手く利用することで、出力リレーだけでは組むことができない回路を作成することができ、また複雑な回路をシンプルにすることもできるので使い方をしっかり覚えておきましょう。

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