自動排水回路を組んでみた!ブレーカから電線の選定、また制御回路について学ぼう!

2022年6月30日

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先日自動排水回路が必要となり簡単な制御盤を組んで配線しました。

自動給水や排水も原理はほぼ同じようなものです。

自動給水などはビルやマンションの屋上にある高架水槽などでもこの自動給水回路が利用されています。

やった事がなければ分かりづらいですよね…ですので今回はこの自動排水回路とは何かから実際の配線などについても詳しく説明していきたいと思います。

⇒PLCやシーケンス制御、電気保全について私が実際使用して学んだものを『電気エンジニアが教える!技術を学べるおすすめ参考書』で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。

自動排水回路とはどんなもの?

【自動排水回路】

水量が増えると自動的に水中ポンプが運転となり、水量が下限の位置まで減ると自動的に水中ポンプが停止となる回路で一般に『フロートレススイッチ』が使われている。

【フロートレススイッチ】

『電極棒』『アンプユニット』から構成され、電極棒で水位を検知してアンプユニット内の電磁リレーを動作させ、その接点を使って水中ポンプ用モータの電磁接触器を動作させる。

自動排水の動作

自動排水の動作は下記のようになります。

【動作説明】

①E1まで水量が増えてくると、E1とE3が導通でONとなり水中ポンプが運転となる。

②E2より水量が減ると、E3とE2が不導通となるのでOFFとなり水中ポンプが停止となる。

ちなみにこの電極棒の間に8V前後の微弱電流を流しています。
よく触って感電するのかと聞かれる事がありますが、感電はしないので安心してくださいね。
ただ注意点として電極棒を交換する際に感電はしないですが、短絡となり信号が入り、ポンプが回りっぱなしになる可能性はあるのでその時には警報が鳴ったり、水量が多くなったりしてオーバーフローになる場合があるので注意した方がいいですよ。
基本交換する際には電源を切って作業行ってくださいね。

自動排水の回路図

自動排水回路が下記のようになります。

【回路の動作説明】

①E1まで水量が増えるとTaとTcの接点が閉じてMC(コイル)がONとなりポンプが運転となる。

②E2より水量が減るとTaとTcの接点が開いてポンプが停止となる。

自動排水回路はフロートレススイッチ内のメーク(a)接点ですが、自動給水回路の場合はブレーク(b)接点となります。
ですので違いはメーク(a)接点かブレーク(b)接点となるので覚えてくださいね。
一応下記に自動給水回路も載せておきます。

⇒接点などについて分からない方は『シーケンス制御の基本を初心者向けに電気エンジニアが解説』を見てもらえれば理解しやすいと思いますよ。

ブレーカと電線の選定

【選定手順】

①水中ポンプの『定格電流』を確認する。

『メーカーのカタログ』『内線規程』の簡便設計表で確認する。

③ブレーカが決まると後はそのブレーカの定格電流よりも許容電流が大きい電線を選ぶ。

大体このような手順で決めていくのですが、もうちょっと細かく説明しますね。

水中ポンプの『定格電流』を確認する。

まずは水中ポンプの定格電流を確認しないといけません。私が使用した水中ポンプの定格電流は0.4kWで2.4Aでした。

この2.4Aの定格電流値が電磁開閉器のサーマルの値となるわけです。
モーターの時は始動電流が大きくなる為、少し大きめのブレーカとなります。
ですのでブレーカが遮断となる時には電動機が焼損してしまうのでそのような時にサーマルで保護します。
ちなみにモーターブレーカはこの突入電流でも遮断しないような特性となっているので保護もできますよ。

⇒電磁開閉器については『電磁開閉器を使ってモーターを動かしてみよう!実際の配線方法!』で詳しく説明しているので参考にしてくださいね。

『メーカーのカタログ』か『内線規程』の簡便設計表で確認する。

メーカーのカタログか内線規程で簡便設計表が載っているのでそれで確認すれば確実ですよ。

この0.4kW(2.4A)で調べていくと『5A』のブレーカを使用するようになっていたので5Aのブレーカに決めました。

この時に注意したい事が水中ポンプを使用しているので漏電してしまうと大変な事になってしまいますよね。

ですので必ず『漏電遮断器』を選んでください。

⇒漏電遮断器についてよく分からない方は『配線用遮断器と漏電遮断器の違いや選び方についてわ分かりやすく紹介!』を見てもらえれば分かりやすいですよ。

ブレーカが決まると後はそのブレーカの定格電流よりも許容電流が大きい電線を選ぶ。

電線は『KIV 電気機器用ビニル絶縁電線』『VSF 単心ビニルコード』を使用しました。

動力回路⇒1.25mm²

制御回路⇒1.25mm²

KIVは動力線VSFは制御線で主に使用されます。
電線の太さは決められたブレーカより必ず許容電流が大きいサイズの電線を使用するようにしてくださいね。
理由としては電線の許容電流が小さいとブレーカが落ちる前に電線の許容電流をオーバーしてしまいますよね?
そうなった場合燃えてしまったりする恐れがあるので必ずこれは守るようにしましょう。

⇒この電線のサイズやブレーカの選定方法などは『電線の種類やサイズの選び方!またブレーカ容量の決め方など詳しく説明!』で説明しているので参考にしてくださいね。

まとめ

自動排水、給水回路はいろんな所で使われているのでしっかり覚えてくださいね。

回路もそんなに難しくないので最初の練習にちょうどいいと思いますよ。

まずは電線やブレーカの選定には気をつけてください。

間違えると燃えてしまう可能性もあるので最初は先輩などに確認しながら選定しましょう。

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