電磁開閉器を使ってモーターを動かしてみよう!実際の配線方法!

2022年6月30日

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電磁開閉器はよく見ると思いますが、最初の頃は実際の配線方法ってよくわかりませんよね。

『さー配線するぞ!』って勢いよく作業にとりかかるが、サーマルリレーなど動作原理を知っておかないとまずどのように配線をしていいか迷うかと思います。

電磁開閉器の配線ぐらいと思い、電気図面を作成せずに作業する人がいますが基本、電気図面を作成してから配線作業にとりかかるようにしなければいけません。

なぜかというと電磁開閉器だけ配線をするのではなく、他にもリレーや負荷などに接続するのでより複雑な配線となり、また後で改造などしなくてはならない場合もあるので電気図面を作成することから始めましょう。

今回は電磁開閉器を使用して実際にモーターを動かす為にはどのように配線するかについて紹介していきたいと思います。

⇒PLCやシーケンス制御、電気保全について私が実際使用して学んだものを『電気エンジニアが教える!技術を学べるおすすめ参考書』で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。

電磁開閉器とは

【電磁開閉器】

モータの電源を開閉するための機器で、電磁接触器にサーマルリレーという過負荷リレーを組み合わせたもの

下記が電磁開閉器です。

中のコイル部分に電流を流す事で磁力が発生し吸引力の力で接点がONする仕組みとなっています。

下記の赤丸(コイル)部分に電流を流す事で接点がONとなります。

ここで注意したいのがコイルには電圧が決められているのでよく確認して配線するようにしてください。

下記がサーマルリレー部分です。

上記のサーマルリレーで説明すると電流値12A~18Aまでの設定ができ、この設定した値以上の電流が流れると信号が送られます

過負荷となった場合、青の部分押せばリセットとなります。

下記の赤部分の98、97がa接点青部分95、96がb接点となります。

サーマルリレーはモータに過電流が流れて焼損するのを防止する機器となります。
ここで勘違いしないようにしたいのがこのサーマルは過電流ですよ~っていう信号を送っているだけなので別に制御で停止にしないといけないので気をつけてくださいね。

参考記事:『電磁開閉器サーマルリレートリップ信号の取り込み方をPLCのラダー図とシーケンス図を使って紹介!』

参考記事:『サーマルリレーとブレーカーの違いについて』

動力回路部分を配線する

まず動力回路部分の配線を行ってください。

この配線図が電磁開閉器(MC)に配線をしていく図面となります。

下記赤の部分(上側)に電源側を接続青の部分(下側)にモーター側の配線をしてください。

参考記事:『制御盤の仕組み!動力回路と制御回路の違いとは?』

制御回路部分を配線する

制御回路部分の配線図です。

注意したいのが上記の制御回路にCP(サーキットプロテクタ)を使用していますが、小容量の場合に選定してください。ラインナップとしては30Aぐらいは揃っていますよ。

CPとは・・・小電流で動いている機器の保護に用いる物です。

CP1次側にR Sを接続、2次側に制御回路を配線していきます。

制御回路ではそこまで電流値が高くなる事はないと思うのでおすすめです。

また制御盤の省スペース化として使用している事も多いですよ。

では制御回路に配線を接続していく手順を見ていきましょう。

下記のようになります。

上記のように上流側(R側)から配線するとわかりやすいですよ。
途中から配線するとわからなくなるので上流側から配線をして終わったらマーカーなどで色を付けておくと間違えにくくなります。

【接続説明】

ストップPBのb接点に接続

③ストップPBから出た線をスタートPBのa接点とMC-1の補助接点(a接点)に接続

このMC-1(電磁接触器)の補助接点は下記の黄色部分NO(ノーマリーオープン)に接続します。

NO(ノーマリーオープン)とはa接点のこと

④スタートPBと電磁接触器の補助接点から出た線がサーマルリレーのb接点95、96に接続⇒その出た線を電磁開閉器コイルに接続

⑤電磁開閉器コイルのもう片方にTラインを接続

参考記事:『シーケンス制御で使用するa接点、b接点、c接点とは?違いや記号についても詳しく説明!』

シーケンス制御回路図の動作説明

【動作説明】

①スタートPBを押す。

②電磁接触器のコイルに電流が流れる。

③電磁接触器の補助接点NOのa接点がONとなりモータが運転となります。

この時、スタートPBを離してもコイルはONしっぱなしとなり、これを自己保持回路といいます。

このように自己保持回路にしておかないとスタートPBを離すと停止になるので気をつけてくださいね。
あと、非常停止やサーマルなどで回路から切り離す場合は必ずb接点にしてください。なぜかというとa接点だと停止したい時にゴミなどが接点の間に入った場合、ONにならない時があるので注意が必要です。

参考記事:『【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!』

まとめ

理解できたでしょうか?

このように配線していけば動作するはずです。

工場内の機械も電磁開閉器を使用していれば基本、この方法で動いています。

まずは基本部分なのでしっかり覚えていきましょう。

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