サーマルリレーとブレーカーの違いについて

サーマルリレーとブレーカの違いについては特に電気の仕事を始めたばかりの方はいまいちよく理解できない方も多いのではないでしょうか?
私も最初の頃は仕組みを理解できておらず、制御盤を設計する際に苦労したのを覚えています。
今回はサーマルリレーとはどのような仕組みか?またブレーカとの違いについてもわかりやすく解説していきたいと思います。
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サーマルリレーとは

サーマルリレーはモーターの負荷電流が検知部を通り中のバイメタルが加熱されることで湾曲し、接点を動作させる構造となっていて『熱動作型継電器』とも呼ばれます。
実際にモーターを動作させるためには下記のような電磁開閉器⇒『電磁接触器』と『サーマルリレー』を組み合わせた開閉器を使用します。


動作としては電磁接触器がONになることでモーターが運転となり、運転中にモータが過負荷になるとサーマルリレーの接点が動作し、電磁接触器のコイルの励磁が切れモーター停止となるわけですね。
関連記事:『電磁開閉器サーマルリレートリップ信号の取り込み方をPLCのラダー図とシーケンス図を使って紹介!』
ブレーカーとは

過電流、短絡、漏電など異常電流が起こると火災、感電などの原因となってしまいます。
このようなことが起こらないためにブレーカーが設置されています。

ちなみにブレーカーにも種類があり『配線用遮断器』と『漏電遮断器』の2種類があります。
この2つの違いについて分からない方は下記の記事に詳しく載せているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
関連記事:『配線用遮断器と漏電遮断器の違いや選び方について分かりやすく紹介!』
サーマルリレーとブレーカーの違い
【サーマルリレー】
⇒遮断機能がなく、過負荷の場合は接点を動作させてその信号により電磁接触器をOFFにする。
【ブレーカー】
⇒異常電流が流れると電路を遮断する。
要するに大きな違いは『遮断機能があるかないか』の違いとなります。
また他にもサーマルリレーはモーターの保護、ブレーカーは電路を保護する目的で使用されるので両方を使いモーターと電路をしっかり保護しなければいけません。
サーマルリレーはモーターの始動電流で動作させないように定格電流のおよそ120%~125%で動作させるようにしましょう。

モーターを運転させる場合にはブレーカーだけでは過電流を素早く遮断できないので必ずブレーカーと電磁開閉器(電磁接触器+サーマルリレー)をセットで考えるようにしてくださいね。
関連記事:『電磁開閉器を使ってモーターを動かしてみよう!実際の配線方法!』
まとめ
【サーマルリレーとブレーカーの違い】
✔サーマルリレー・・・ モーターに過電流が流れて焼損するのを防止する機器のこと
・遮断機能なし(接点信号により電磁接触器をOFF)
・モーターの保護が目的
✔ブレーカー・・・ 過電流や短絡などの異常電流が流れると自動的に遮断する安全装置のこと
・遮断機能あり
・電路の保護が目的
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