制御盤の仕組み!動力回路と制御回路の違いとは?

2023年9月30日

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制御盤の中身は大きく分けて『動力回路』『制御回路』に分けられています。

ですが、どこからどこまでのことを指しているのか特に初心者の方はあまり詳しく知らない方も多いのではないかと思います。

まずこの違いについて知っておかないと、制御盤製作時や修理対応などする時に困ってしまいます。

今回はこの動力回路と制御回路の違いについて紹介していきたいと思います。

⇒PLCやシーケンス制御、電気保全について私が実際使用して学んだものを『電気エンジニアが教える!技術を学べるおすすめ参考書』で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。

そもそも制御盤とは?電気制御回路例も紹介

【制御盤】

機械や装置などを電気制御する盤のこと

制御盤とは例えば工場であれば製品をその寸法どおりに加工したり、製品を移動したりするのに制御盤で制御(コントロール)しないといけません。

身近で言えば炊飯器や洗濯機はスタートボタンを押すと、後は作業が終了するまで操作の必要はないですよね。

また、冷蔵庫やエアコンは自動で温度調整してくれます。

それらすべてが自動制御されているものとなります。

下記が電気制御回路例です。

【動作説明】

スタートPBをON⇒MCのコイルがON⇒MC-a1の接点が閉じて自己保持⇒モータ運転⇒同時にランプ点灯となります。

ではこの電気制御回路でどの部分が動力回路制御回路なのかを詳しく見ていきますね。

関連記事:『電気はどのように送られてくるの?配電盤と分電盤、制御盤の違いについても分かりやすく説明!』

動力回路とは

【動力回路】

機械のモータやヒータなどに電気を供給して動かす為の回路

動力回路はブレーカや電磁開閉器を介してモータなどを動かす回路のことで動力回路だけを集めた盤を『動力盤』と言います。

動力盤は制御回路が入っていないので起動・停止だけの状態となります。

下記が動力回路部分となります。

この電気制御回路例で確認すると分かりやすいかと思いますが、『動力回路』は三相3線式がそのままモータまで接続されている部分を言います。

制御盤に配線する場合は、動力回路と制御回路が分かるように色分けをしています。

色分けは私の経験では会社により仕様が違いますが、私の会社では動力回路(交流)⇒黒色、制御回路(交流)⇒黄色、制御回路(直流)⇒青色の電線を使用するようにしています。

関連記事:『電線の種類やサイズの選び方!またブレーカ容量の決め方など詳しく説明!』

制御回路とは

【制御回路】

機械の操作(入力信号)を受け、定められた順序に従って動作していく回路

制御回路は機械をどのように動かしていくか、また保護機能が働いた時に停止とするなどさまざまな条件をこの制御回路で組まれています。

複雑な動きをするほど制御回路で組んでいく条件が多くなり、より複雑な回路となっていくわけです。

下記が制御回路部分となります。

ここでの電気制御回路例で言うと、スタートPBを押す⇒マグネットのコイルがON⇒モータ運転と同時に接点がON⇒ランプ点灯。
この部分が制御回路となります。

制御回路は前述でもお話しましたが、複雑な動きであれば、より複雑な回路となり配線が多くなってしまいます。

そのような複雑な動きの場合は『PLC(シーケンサ)』というものを使用して制御回路を組んでいきます。

このPLC(シーケンサ)については下記の記事参考にしてみてくださいね。

関連記事:『工場の機械制御によく使われている『PLC(シーケンサー)』とは何?PLCが学べる参考書も紹介!』

まとめ

制御盤を配線する場合には動力回路と制御回路は理解しなければいけません。

もう1度まとめておきますね。

動力回路・・・機械のモータやヒータなどに電気を供給して動かす為の回路

制御回路・・・機械の操作(入力信号)を受け、定められた順序に従って動作していく回路

後で修理や改造の際に分かりやすくする為にも色分け(動力回路(交流)⇒黒色、制御回路(交流)⇒黄色、制御回路(直流)⇒青色の電線)をしておく。

また、制御盤の設計や組み立てについて詳しく知りたい方はこちらの参考書がおすすめですよ。他に制御盤についてここまで書かれているのは少ないと思うので役に立つと思います。↓

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