【第2種電気工事士】単相3線式で中性線が欠相(断線)すると電圧、電流値はどうなるの?詳しく説明!
単相3線式は一般家庭でよく使用されている配電方式ですが、この単相3線式で中性線が欠相(断線)するとどうなるか分かるでしょうか。
私も第2種電気工事士取得時に学びましたが、深い意味はよく理解できていませんでした。
今回はこの単相3線式の中性線が欠相すると電圧や電流値はどうなるのか?について詳しく説明していきたいと思います。
内容を動画にもまとめているのでぜひご覧ください。
単相3線式の中性線欠相(断線)状態とは
【単相3線式(1Φ3W)】
一般家庭でもっとも普及している配電方式で3本1組の引き込み線で引き込まれる単相交流のこと
下記が単相3線式の中性線が欠相(断線)した状態となります。
この単相3線式は一般家庭で使用されている配電方式で、この中性線(接地側)を介して洗濯機や冷蔵庫などに100V電源を供給しています。
中性線欠相状態とは上記のように何かしらの原因で断線事故が発生した状態を言い、この断線事故が発生した時に100V電源がどうなっていくかについてこれから説明していきたいと思います。
配電方式についてよく分からない方は下記の記事参考にしてみてくださいね。
関連記事:『【第2種電気工事士】配電方式の単相2線式、単相3線式、三相3線式とは?初心者にもわかりやすく紹介!』
負荷容量が同じ場合(断線時)
負荷容量が同じ場合を『平衡負荷』と言い、下記が平衡負荷時での中性線が欠相(断線)した状態となります。
【負荷が同じ場合での100V回路】
断線時は黒と赤の200Vの電圧となるが、同じ負荷の場合は分圧されるので、両方の負荷とも同じ100Vの電圧がかかります。
【負荷が同じ場合での200V回路】
200V負荷の場合はそのまま200Vの電圧となります。
このように負荷が全く同じ場合は断線前と変わらずに100Vの電圧がかかります。
ですので問題はないですが、実際に負荷が全く同じ状態というのは考えられないと思います。
なぜかと言うと冷蔵庫やテレビ、洗濯機など負荷が違うのでこれを全く同じにするなんて難しいですよね。
関連記事:『【第2種電気工事士】直列回路と並列回路の違いとは?合成抵抗、分圧、分流についても解説』
負荷容量が違う場合(断線時)
負荷が違う場合を『不平衡負荷』と言い、下記が不平衡負荷時での中性線が欠相(断線)した状態となります。
【負荷が違う場合の100V回路】
断線時は黒と赤となるので電圧は200Vとなり、分圧されるが負荷容量が違うため、上下に違う電圧が印加されることになります。
直列回路なので合成抵抗は『40Ω+10Ω=50Ω』
負荷に流れる電流は『200V/50Ω=4A』
各負荷に印加される電圧はそれぞれ『40Ω×4A=160V』、『10Ω×4A=40V』となるので違う電圧が印加されているのが分かると思います。
【負荷が違う場合の200V回路】
200V負荷の場合はそのまま200Vの電圧となります。
このように負荷が違う場合、小さい負荷に過大な電圧が印加されているのが分かるかと思います。
結果、一般家庭のコンセントなどで接続されている機器には160Vの電圧が印加されてしまうので破損となってしまう場合があります。
このようなことがないように一般家庭では『単3中性線欠相保護付』の漏電遮断器が設置されています。
しかし、古い住宅などには取りついていない場合もあるかもしれません。機器の破損、また危険な状態にならないように設置してあるブレーカを再度よく確認してみてくださいね。
関連記事:『電気を理解するには最も基本的な電圧、電流、抵抗の理解が必要不可欠。分かりやすく解説!』
まとめ
理解できたでしょうか?単相3線式の中性線が断線した時の問題はよく出てくるのでこのように一般家庭で実際起こるとどうなるかなどを理解しておけば頭に入りやすいかと思います。
私も最初は問題をそのまま暗記して勉強していましたが、なかなか覚えることができませんでした。
暗記するだけでなくどうなるかまでをしっかり考えることで覚えやすくなりますよ。
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