シーケンス制御のインターロック回路とは?シーケンス図やラダー図を使ってわかりやすく紹介!

2024年7月14日

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シーケンス制御を最初に学んでいると『インターロック回路』という言葉を聞くことが多いかと思います。

このインターロック回路は機械の破損や人に危険を及ぼさないために使用され、シーケンス制御には、欠かすことのできない基本回路の1つとなっています。

今回はインターロック回路とはどんなものかについてシーケンス図やラダー図を使ってわかりやすく説明していきたいと思います。

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インターロック回路とは

【インターロック回路】

回路が動作中に、他の回路が動作しないようにすること

もう少し詳しく説明すると、インターロックとは内鍵の意味で使われ、小部屋などで内側から鍵をかけると外からは開けられないことからこの言葉が使われます。

制御回路で動作中に他の回路が動作してしまうと、機械の破損や人に危険を及ぼしてしまう恐れがあるため、他の回路が動作しないように必ずインターロックをかけなければいけません。

※インターロック回路にすることを『インターロックをかける』という。

下記のような回路が『インターロック回路』となります。

【先にA回路を動作させた場合】

ST-BS1を押すとR1のコイルがON⇒R1-aの接点が閉となり自己保持⇒A回路が動作しR1-b接点が開⇒この時にST-BS2を押してもR1-b接点が開の為B回路が動作しない

【先にB回路を動作させた場合】

ST-BS2を押すとR2のコイルがON⇒R2-aの接点が閉となり自己保持⇒B回路が動作しR2-b接点が開⇒この時にST-BS1を押してもR2-b接点が開の為A回路が動作しない

A回路とB回路に、出力接点を使い、お互いインターロックをかけることで、先に押しボタンを押して動作させた回路が優先され、後から押した回路は動作しません。

このようなインターロック回路はモータの正転と逆転時によく使用され、また、可逆電磁開閉器なども使い、機械的にもインターロックをかけるようにしています。
詳しく知りたい方は下記の記事に載せているのでぜひ参考にしてみてくださいね。

関連記事:『モータ正逆運転どうやるの?可逆電磁開閉器の必要性とは!?』

ダブルソレノイドバルブを使用した場合のインターロック回路例

下記がダブルソレノイドバルブの入出力と動作説明となります。

ダブルソレノイドバルブ(電磁弁)とは2つのソレノイドをもっていて片方のソレノイドに通電するとバルブが切り替わり、非通電にしてもその状態のままとなります。

このダブルソレノイドバルブを動作させる時に、2つ同時に通電してしまうと、発熱する恐れがあるので、このような場合にインターロックをかける必要があります。

下記がダブルソレノイドバルブを使用した場合のインターロック回路例となります。

【動作説明】

前進SWのX0をON⇒Y0の出力がONで自己保持となりシリンダー前進⇒後退SWのX1をONでX1のb接点が開⇒シリンダー前進Y0がOFF⇒同時にY1の出力がONで自己保持となりシリンダーが後退となる

ソレノイドに通電する時には時間を充分とる必要があるので確実に切り替えるため、自己保持などで出力ON状態を保持します。

また、注意点としては出力接点を使った場合、OFFにならない限り、先に押した前進回路が優先されてしまい、後退SWを押しても後退(Y1)の出力がONとならなくなってしまいます。
このようにSWを押すたびに切り替えたい場合は入力接点を使い、インターロックをかけるようにしましょう。

関連記事:『【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!』

送りネジを左右に移動させる場合のインターロック回路例

下記が送りネジ移動時の入出力と動作説明となります。

下記が送りネジ移動時でのインターロック回路例となります。

【動作説明】

左移動SWのX0をON⇒Y0の出力がONで自己保持となり左移動開始⇒左端LSのX2のb接点が開となり停止⇒右移動SWのX1をON⇒Y1の出力がONで自己保持となり右移動開始⇒右端LSのX3のb接点が開となり停止

前述で説明したように出力接点でインターロックをかけた場合はOFFにならない限り、先に押した動作が優先されるため移動完了LSがONするまで移動することになります。

移動中でも反対方向に移動させたい場合は入力接点でインターロックをかけるといいですよ。

関連記事:『シーケンス制御で使用するa接点、b接点、c接点とは?違いや記号についても詳しく説明!』

まとめ

✔インターロック回路

・回路が動作中に、他の回路が動作しないようにすること

・出力接点でインターロックをかけた場合は先に押しボタンを押して動作させた回路が優先され、後から押した回路は動作しない

・押しボタンを押すたびに動作を切り替えたい場合は入力接点でインターロックをかけるようにする

・モータの正転と逆転させる場合は可逆電磁開閉器を使い、機械的にもインターロックをかけるようにする

・インターロックを入力接点か出力接点どちらでかけるかを状況により使い分ける。

以上。

インターロックは回路を組む上で優先させたい動作がある場合には必ず必要となってきます。

機械の破損や人に危険を及ぼすのを防止するためにしっかり動作を理解しておきましょう。

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