【三菱】PLC(シーケンサ)やサーボアンプのバッテリーの役割とは?また交換方法や注意点も紹介!
PLCやサーボアンプにはバッテリーが接続されています。
このバッテリーはかなり重要で、定期的に交換する必要があります。
なぜ交換しないといけないのか?またバッテリーはどんな役割をしているのか?交換方法や注意点は?など分からない方もいると思うので今回はこのバッテリーについて詳しく説明していきたいと思います。
⇒PLCやシーケンス制御、電気保全について私が実際使用して学んだものを『電気エンジニアが教える!技術を学べるおすすめ参考書』で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。
PLC(シーケンサ)やサーボアンプでのバッテリーの役割とは?
【PLC(シーケンサ)CPUバッテリーの役割】
停電や電源OFF時にプログラムやパラメータ、ラッチデバイスなどの内容を保持するためのもの
【サーボアンプバッテリーの役割】
停電や電源OFF時に絶対位置データを保持するためのもの
簡単に説明するとこのように設定した内容や現在の状態を保持するためのものです。
せっかく設定した内容や現在値が停電や電源をOFFにしたことにより消えてしまうとかなりの時間、生産がストップしてしまいますよね。
そうならないためにもバッテリーでデータが消失しないように保持をします。
保持している内容が少し分かりにくいかもしれないのでもう少し詳しく説明していきますね。
関連記事:『生産現場で使用されるサーボアンプやサーボモータとは何?また選定時の注意ポイントなども紹介!』
PLC(シーケンサ)CPUバッテリーでの保持内容説明
【プログラム】
プログラムとはラダープログラムのことでPLC(シーケンサ)の中で制御をする回路のことです。
⇒詳しくは『工場の機械制御によく使われている『PLC(シーケンサー)』とは何?PLCが学べる参考書も紹介!』を参考にしてみてください。
【パラメータ】
PLC(シーケンサ)の基本的な部分を設定します。
例えば、ベースユニットのスロット数やユニット占有数、I/O割付など、基本部分のことです。
【ラッチデバイス】
自己保持回路や数値などを停電や電源OFF時でもその状態を保持しておきたい時に使用するデバイスのことです。
⇒詳しくは『PLCで使用するOUTとSET・RSTの違いとは?また停電保持回路での使用例ついても紹介!』参考にしてみてください。
サーボアンプバッテリーでの保持内容説明
【サーボアンプ】
サーボモータが目標値どおりに動くために必要な出力(電力)を供給する装置
【絶対位置データ】
サーボモータがどのくらいの距離を移動しているのかを表している位置情報のことです。
停電や電源OFF時でもこのバッテリーで位置を保持し、再度その位置から移動させることができます。
PLCバッテリー(Qシリーズ)での交換方法
今回はQCPUでのバッテリー交換方法を説明します。
※交換される際は安全性を考慮し、自己責任でお願いします。
下記が交換方法となります。
【交換手順】
①PLCの電源をOFF
②PLCのQCPUユニットの底部のカバーを開ける
③バッテリーを取り出し、コネクターを外す
④新しいバッテリーにコネクタを取り付ける
⑤PLCの電源をON(この時にBATのランプが消灯していることを確認する)
下記が交換時の注意点となっています。
【交換時の注意点】
・交換前には必ずデータのバックアップをしておいてください。(万が一、データが消失した時のため)
・バッテリーをコネクタから外した時の保持時間は約5分程度となっています。(スーパーキャパシタにより保持されるが、劣化具合により保持時間は前後するので注意が必要)
PLC(Qシリーズ)のバッテリーは『Q6BAT』を使用しますが、新品の場合、実力値で5年程度保持されるが、メーカーの推奨交換期間は3年となっています。
交換せずに使用していると、突然動かなくなり、生産がストップしてしまうので3年に1回交換するようにしてくださいね。。
私の生産現場でもバッテリーの定期交換は3年で行うようにしていますよ。
もちろんその時にはデータが消失してしまう可能性があるので必ずデータのバックアップするようにしています。
サーボアンプ(J3)での交換方法
今回はサーボアンプJ3シリーズでのバッテリー交換方法を説明します。
※交換される際は安全性を考慮し、自己責任でお願いします。
下記が交換方法となります。
【交換手順】
①サーボアンプの主回路電源OFF(制御回路電源はONの状態)
②コネクタを抜き、バッテリーをスライドさして取り外す
③新しいバッテリーをセットし、コネクタを差し込む
⑤サーボアンプの主回路電源をON(この時にバッテリーのエラー表示がないことを確認する)
下記が交換時の注意点となっています。
【交換時の注意点】
・交換作業は必ず主回路電源をOFFにしたあと、15分以上経過し、チャージランプが消灯したのちテスタなどでP+とN-の間の電圧を確認してから行ってください。
・制御回路電源はON状態で行ってください。
ON状態で行うと、絶対位置データは消失しないはずですが、何かの拍子で位置消失してしまう可能性もあるので必ず原点セット位置を分かるようにしておくこと(例えば原点セット位置が1000mmなら1000mmの位置で印をする)
サーボモータのバッテリ交換もメーカの推奨交換期間は3年となっています。
ですので、PLCとサーボアンプのバッテリを同じ時期に交換した方が分かりやすくていいですよ。
ちなみに『J3シリーズ』は生産終了となっていて、現在は『J4シリーズ』となっていますが、交換方法は基本同じようにすれば大丈夫です。
ただ、少し違うものもあるので交換時は必ず三菱のマニュアル等で確認して交換するようにしてくださいね。
まとめ
このようにバッテリはかなり重要な役割となっているので、必ず定期的に交換するようにしてください。
もちろんバックアップデータは確実に保存しておき、またプログラムやパラメータなどの変更時にはその都度保存しておくことをおすすめします。
データは一番重要な部分なので消失して元に戻らなくなったとならないように気をつけてくださいね。
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