生産現場で使用されるサーボアンプやサーボモータとは何?また選定時の注意ポイントなども紹介!
サーボモータやサーボアンプなど生産現場で働いているとよく聞きますよね。
ですが、聞いたことはあっても実際どのようなものか分からない方も多いかと思います。
今回はこのサーボモータやサーボアンプは生産現場になぜ必要なの?実際どういう動きをするのか?またサーボモータの選定時での注意ポイントについても紹介していきたいと思います。
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サーボアンプやサーボモータとは
【サーボアンプ】
サーボモータが目標値どおりに動くために必要な出力(電力)を供給する装置
【サーボモータ】
サーボ機構において位置および速度を自動制御できるモータのこと
このサーボモータですが、単体では何もできません。
司令塔のコントローラとサーボアンプが必要となってきます。
下記がサーボモータの構成になります。
このように指令装置から指令パルスが入力されると、サーボアンプは指令パルスとモータ回転数に応じたフィードバック信号(パルス)の差が零になるようにモータを制御するのです。
ですのでサーボモータはサーボアンプで制御されて正確な位置決めができるということですね。
ちなみにサーボモータのエンコーダ部分で実際に動いた時のモータ速度や位置をフィードバックしていますよ。
このフィードバックを使用する方式を『クローズドループ』といい、使用しない方式を『オープンループ』と言います。
サーボモータ選定時の注意ポイント
【選定時の注意ポイント】
・INC(インクリメントシステム)とABS(アブソリュートシステム)の違い
・サーボロックと電磁ブレーキの違い
サーボモータ選定時の注意ポイントとしてこの2点基本的な部分なのでしっかりと違いを覚えておいてください。
以下で説明していきますね。
INC(インクリメントシステム)とABS(アブソリュートシステム)の違い
【INC(インクリメントシステム)】
電源がONの時にはエンコーダに電源が供給されているので位置情報が保持されていますが、停電や電源がOFFになると位置情報が消失となる
【ABS(アブソリュートシステム)】
停電や電源がOFFになってもサーボアンプのバッテリーから電源が供給されているので位置情報が保持される
・INC(インクリメントシステム)
メリット・・・バッテリーが不要
デメリット・・・電源ON時に位置情報を管理するのにその都度、原点復帰が必要となる
・ABS(アブソリュートシステム)
メリット・・・電源OFF時にも位置情報を覚えているので原点復帰を必要としない
デメリット・・・バッテリーが必要。
このようにメリット、デメリットをよく考えて使い分けをしなければいけません。
停電や電源OFFにした時も位置情報を覚えているのでその場所より再度スタートさせたい時にはABS(アブソリュートシステム)を使用します。
原点復帰をその都度しなくていいのでタクトタイムの短縮になりますが、その代わりバッテリーは寿命があるので定期交換の手間や、バッテリー交換時での位置情報消失などをする場合もあるので、その際には再度原点調整が必要となってしまいます。
ですのでどっちがいいかよく考えて選択してくださいね。
関連記事:『【三菱】PLC(シーケンサ)やサーボアンプのバッテリーの役割とは?また交換方法や注意点も紹介!』
サーボロックと電磁ブレーキの違い
【サーボロック】
停止位置がずれないよう、サーボモータが制御可能状態で位置を保持している状態のこと(外から力がかかったときに停止している位置がずれても、停止位置に戻そうとする)
【電磁ブレーキ】
モータを励磁しない状態で、位置保持用として使用するブレーキのこと(回転中の負荷を停止させる制御用としては使用しない)
このサーボロックは電源ON状態の時にしか機能しません。
OFF状態では機能せず、特に昇降設備などでは重力の影響でサーボモータが下がってしまいます。
そのような停電時や電源OFF時にサーボモータが動かないようにするには電磁ブレーキ付きを選定しなければいけません。
また電磁ブレーキを使用する時の注意点として、負荷を停止させるなどの制動用で使用してはいけません。
必ず位置保持用で使用するようにしてくださいね。
まとめ
サーボモータは精度がいる設備機械では必ず必要となってきます。
他にもパラメータ設定や原点復帰方法など細かい設定がいろいろとありますが、まずはサーボモータの構成、どのように動いているかの基本的な部分をしっかり覚えてくださいね。
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