電気の不具合でよく起こる短絡や地絡、漏電、の違いとは?
電気関係の仕事をしていると、よく短絡、地絡、漏電、と言う言葉をよく聞きますよね。
何となく分かっていても、詳しくは分からない方も多いと思います。
私も何となくは理解していたのですが、詳しくは最初分かりませんでした。
ですので今回はこの短絡、地絡、漏電、について違いなど詳しく解説していきたいと思います。
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短絡とは
【短絡(ショート)】
電位差のある2点間をきわめて抵抗の小さい導体(電線など)で接続すること。
下記が短絡した状態となります。
短絡した場合、『大きな電流』が流れます。
この大きな電流が流れ続けた場合、電線が燃えて、火災の原因となってしまうのでこれを防ぐために、『配線用遮断器』を設置して短絡時には遮断するように一般住宅などでは設計されています。
関連記事:『配線用遮断器と漏電遮断器の違いや選び方について分かりやすく紹介!』
短絡時での電流値は例えば電線の抵抗を0.01(Ω)、回路の抵抗10(Ω)、電源2(V)とし、他の電線の抵抗値は無視して計算すると下記のようになります。
短絡した電線に大きな電流が流れているのが分かるかと思います。
こんな大きな電流が流れては危険ですよね。
現場で短絡によくなる事例としては、活線作業時に電線をそのまま2本同時に切断したり、端子を外している状態で、すでに取り外していた電線が電圧のかかっている箇所に接触してしまう等、他にもたくさんあります。
短絡した時にはブレーカが落ちるようになっていますが、大きな電流が流れてしまうため、電線を切断した工具などは溶けてしまい、またスパークにより手や目にも火傷をしてしまいます。
ですのでやむを得ない場合以外は必ず作業時には電源をOFFにして十分注意して作業の方行ってくださいね。
漏電と地絡とは
【漏電】
電流が正規の通路以外に漏れること
漏電は漏えい電流とも呼び、完全に絶縁することは難しく、一定の微小な漏えい電流は常に発生しています。
この漏えい電流は『1mA以下』と定められています。
ですが、配線器具や電線などは長期使用により絶縁性能が劣化していき、この漏えい電流が増加して電路と大地が繋がり、危険な状態となっているのが地絡となります。
【地絡(ちらく)】
配線や機器の劣化(絶縁不良)によって大地に流れる電流のこと
下記が地絡になっている状態です。
低圧回路の電動機で地絡が発生すると、上記のような経路で大地へ流れていきます。
低圧の電動機で地絡が発生すると、アース(D種接地)を通り、大地へ流れていき、その大地からアース(B種接地)を通り、変圧器のアースに戻っていきます。
漏電と地絡はほぼ同じ意味として扱われています。
少しわかりづらいと思うので、『漏電』は電気が流れる線路以外に流れる現象で『地絡』は電路と大地が繋がっていて、その大地に流れる現象と覚えておけば分かりやすかもしれません。
ちなみに地絡が発生すると、アースを通じて大地へ流れていきます。
この時にアースが接続されていないと大地に流れずに、外箱などに漏れ、電流がとどまったままの状態となり、その部分に人が触ると感電してしまいます。
そのようなことがないように確実にアースに接続するようにしてくださいね。
詳しくは下記の記事参考にしてもらえれば分かりやすいと思います。
関連記事:『アース(接地)線の役割とは?漏電遮断器を使用する場合必ず必要となる理由!』
まとめ
違いは分かりましたか?念のためもう1度おさらいしておきます。
・短絡は電位差のある2点間をきわめて抵抗の小さい導体(電線など)で接続することで起こるので、主に活線作業時に注意が必要。
・漏電と地絡はほぼ同じ意味ですが、漏電は電気が流れる線路以外に流れる現象で地絡は大地に流れる現象。
この短絡、漏電、地絡とも発生することはあると思いますが、発生してもすぐに遮断できるようにブレーカの選定、また大地に逃がすようにアースの接続等必ず行うようにしましょう。
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