【第2種電気工事士】遮断器の動作時間や極数(P)と素子数(E)について詳しく説明!

遮断器には主にヒューズと配線用遮断器の2種類があります。
ヒューズや配線用遮断器は過電流が流れてもすぐに遮断とならず、定格電流を基準に動作する時間が『電気設備技術基準』で定められています。
また、配線用遮断器には極数(P)や素子数(E)などがあり、しっかり意味などを理解しておく必要があります。
今回はこの遮断器の動作時間や極数(P)と素子数(E)について詳しく説明していきたいと思います。
遮断器とは
【遮断器】
電路に過電流が生じた時に自動的に電路を遮断する装置のこと
電路に『過電流』や『短絡電流』が流れると大きなジュール熱が発生し、機器が破損、また火災が発生するなど大変危険です。
このような災害にならないように遮断器が設置されているのです。
・過電流・・・短絡電流及び過負荷電流(許容以上の負荷が加わる状態)のこと
・短絡電流・・・事故や故障などが原因で、電線同士が直接接触するなどして大電流が流れること
遮断器は『ヒューズ』と『配線用遮断器』の2種類があります。


このように遮断器は過電流が流れた時に自動的に遮断するが、実際すぐに遮断とはならず、動作するまでの時間が決められています。
ではこの動作時間について見ていきましょう。
関連記事:『電気の不具合でよく起こる短絡や地絡、漏電、の違いとは?』
ヒューズの動作時間
ヒューズの特性は下記のようになります。

ヒューズの場合は『定格電流の1.1倍の電流では溶断しない』となっています。
溶断する場合は定格電流の1.6倍と2倍の電流が流れた時に上記表の指定された時間以内に溶断しなければなりません。

ヒューズは定格電流1.1倍の電流には耐えると覚えておきましょう。
関連記事:『【第2種電気工事士】単相3線式で中性線が欠相(断線)すると電圧、電流値はどうなるの?詳しく説明!』
配線用遮断器の動作時間
配線用遮断器の特性は下記のようになります。

配線用遮断器の場合は定格電流では自動的に動作しません。
動作する場合は定格電流の1.25倍と2倍の電流が流れると上記表の指定された時間以内に動作しなければならない。

特に30A以下の場合の動作時間が試験に出やすいのでしっかり暗記するようにしてくださいね。
関連記事:『配線用遮断器と漏電遮断器の違いや選び方について分かりやすく紹介!』
配線用遮断器の極数と素子数とは
【極数】
非接地極と接地極の数
【素子数】
過電流を検知できる素子の数
・単相2線式100V⇒2P1E(極数=2P、素子数=1E)

※素子がついていない端子に、中性線(接地線)を接続
・単相2線式200V⇒2P2E(極数=2P、素子数=2E)

・単相3線式200V⇒3P2E(極数=3P、素子数=2E)
・三相3線式200V⇒3P3E(極数=3P、素子数=3E)

配線用遮断器に接続する場合は素子がついていない端子、『N』マーク部分に中性線側を接続するので間違わないように注意が必要です。
関連記事:『【第2種電気工事士】配電方式の単相2線式、単相3線式、三相3線式とは?初心者にもわかりやすく紹介!』
まとめ
✔遮断器
・電路に過電流が生じた時に自動的に電路を遮断する装置のこと
・過電流とは短絡電流及び過負荷電流(許容以上の負荷が加わる状態)のこと
・『ヒューズ』と『配線用遮断器』の2種類がある
・ヒューズの場合は定格電流の1.1倍の電流では溶断せず、溶断する場合は定格電流の1.6倍と2倍の電流が流れた時に指定された時間以内に溶断となる
・配線用遮断器の場合は定格電流では自動的に動作せず、動作する場合は定格電流の1.25倍と2倍の電流が流れると指定された時間以内に動作する
・極数とは非接地極と接地極の数のことで、素子数とは過電流を検知できる素子の数のこと
以上。
ヒューズと配線用遮断器の動作時間は出題される可能性が高いのでしっかり暗記するようにしてください。
また極数や素子数なども遮断器を選定する際に必要な知識となるので覚えておきましょう。
こちらも一緒にチェック↓