一般家庭の分岐回路とは?許容電流や電線の太さについてもわかりやすく説明!

2021年7月23日

一般家庭の分電盤でブレーカや電線はどのように選定され、分岐回路から配線されるかわかるでしょうか?

分岐回路には種類があり、それぞれのブレーカの定格電流、接続できるコンセントの定格電流、電線の太さが決められています。

今回は初心者向けに分電盤の分岐回路から配線をする際のブレーカの定格電流、接続できるコンセントの許容電流、電線の太さについてわかりやすく説明していきたいと思います。

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分岐回路とは

【分岐回路】

分電盤の分岐ブレーカから負荷(コンセントや電灯)までの回路のこと

一般家庭用分電盤の分岐回路は下記のようになります。

【アンペアブレーカ(電流制限器、リミッター)】

⇒電力会社と契約した電流以上が流れた場合に電気の供給を自動的に止める装置のこと

アンペアブレーカは電力会社の所有物なので勝手に交換はできないので注意してください。(交換する場合は電力会社に連絡が必要)

【メインブレーカ(漏電遮断器、主幹ブレーカ)】

⇒規定値以上の電流が流れると遮断し、また漏電した時も感知し、火災や感電の事故を防ぐ、安全装置のこと

【分岐ブレーカ(子ブレーカ)】

⇒分電盤から各部屋の負荷(電灯やコンセントなど)に接続されていて、その部屋の回路のみを遮断するもの

この分岐ブレーカから各部屋の負荷までの回路を『分岐回路』と言います。

分岐回路がないと、全部の負荷を1つの回路として電力を供給した場合、1台の負荷の故障で家の中、全体が停電となってしまいます。

また、この場合には流れる電流の容量が大きくなり、それに合わせて遮断器も大きくしなければいけません。

そうなると、各部屋に配っている電線はその流れる電流に耐え切れずに焼けてしまい、火災等の原因となってしまいます。

そのような理由から分岐回路で分けて、電力が供給されているわけです。

コンセントの使いすぎ(過電流)などの場合はこの分岐ブレーカが遮断となり、漏電の場合はメインブレーカで遮断するようになっていますよ。

関連記事:『電気はどのように送られてくるの?配電盤と分電盤、制御盤の違いについても分かりやすく説明!』

分岐回路のブレーカ容量や電線の太さは?

一般家庭の分岐回路は多くの場合『20Aの配線用遮断器』が設置されています。

分岐回路の電線の太さと接続できるコンセントは下記のように電気設備の技術基準で定められています。

分岐回路の種類過電流遮断器の定格電線の太さ(直径)とMIケーブルの断面積接続してよいコンセントの定格電流
15[A]分岐回路15[A]配線用遮断器またはヒューズ直径1.6[mm]以上
断面積1[mm²]以上
15[A]以下
20[A]配線用遮断器分岐回路20[A]配線用遮断器直径1.6[mm]以上
断面積1[mm²]以上
20[A]以下
20[A]分岐回路20[A]ヒューズ直径2.0[mm]以上
断面積1.5[mm²]以上
20[A]
30[A]分岐回路30[A]配線用遮断器またはヒューズ直径2.6[mm]以上
断面積2.5[mm²]以上
20[A]以上
30[A]以下

このように一般家庭の場合は20Aの配線用遮断器が設置してあるので、同一の回路内で20A以上の電流を使用するとブレーカが遮断するようになっています。

また1[kW]を超える大型器具(電子レンジなど)を使用するコンセントは1個となっていて、このコンセントを『専用コンセント』と呼びます。

大きなエアコンの場合は200Vが必要となるので200V専用回路となりますよ。
一般家庭などの配電方式については下記の記事に詳しく載せているので参考にしてみてください。

関連記事:『【第2種電気工事士】配電方式の単相2線式、単相3線式、三相3線式とは?初心者にもわかりやすく紹介!』

分岐先のコンセントは容量が決められている?

コンセントは『15A(1500W)』までしか使用できないようになっています。

ここで注意したいのが、前述でも説明していますが、分岐ブレーカは『20A(2000Wまで)』が設置してあるので、1700Wなどで使用しているとコンセントの容量は超えているが、ブレーカは遮断しません。

ですのでコンセントに複数使用できるテーブルタップなどを利用して1500Wを超えてたくさんの電化製品を使用しているとコンセント部分や電線が熱を持ち、最悪発火してしまうこともあるので気をつけましょう。

1つの分岐回路でコンセントを2つ使い、1つのコンセントに1000W、もう片方のコンセントに700Wの場合は合計1700Wですが、分岐ブレーカは2000Wまでなので問題はありません。

テーブルタップを使用する時は容量に注意して使用するようにしてくださいね。
タコ足配線やその他ほこりなどによる危険性については下記でもっと詳しく載せているので参考にしてみてください。

関連記事:『タコ足配線はなぜ危険なの?詳しく解説!』

関連記事:『コンセントのトラッキング現象とは何?火災の原因にもなる!?わかりやすく紹介!』

まとめ

✔分岐回路

・分電盤の分岐ブレーカから負荷(コンセントや電灯)までの回路のこと

・分岐回路がないと、全部の負荷を1つの回路として電力を供給した場合、1台の負荷の故障で家の中、全体が停電となる

・一般家庭の分岐回路は多くの場合『20Aの配線用遮断器』が設置されている(同一の回路内で20Aまで)

・1[kW]を超える大型器具(電子レンジなど)を使用する場合は『専用コンセント』が必要となり、また200Vの場合は『200V専用回路』が必要となる

・分岐先のコンセントは『15A(1500W)』までしか使用できないので注意が必要

以上。

このように屋内配線をする場合は必ず使用用途に合わせて分岐回路が必要となります。

配線した後に間違えたとならないように作業前に必ず配線図を設計し、作業にとりかかるようにしましょう。

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