スターデルタ(Y-△)始動法の始動回路をシーケンス図とラダー図で紹介!

2021年6月24日

スターデルタ(Y-△)始動をする時はスター(Y)からデルタ(△)に切り替えるように制御しなければいけません。

実際に制御回路を組んだことがないとわからない方も多いかと思います。

今回はどのようにスターデルタ(Y-△)始動していくかについてわかりやすく、シーケンス図とラダー図を使って説明していきたいと思います。

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スターデルタ始動法はどのような時に使うの?

【スターデルタ(Y-△)始動

出力の大きなモータの始動電流を抑えるための始動方法のこと

一般に出力が『5.5kw以上』の3相かご形誘導モータを、全電圧始動すると大きな始動電流(定格電流の6~8倍)が流れるため、配線や他の機器などに悪影響を及ぼしてしまいます。

そうならないように、スターデルタ始動法を使います。

動作としては初めにスター(Y)結線で始動し、回転速度が80%になるとデルタ(△)結線に切替えます。

こうすることで始動電流を『3分の1』に抑えることができるのです。

※全電圧始動・・・はじめから定格電圧を加える始動法のこと

スターデルタ結線方法については下記の記事に詳しく載せているので参考にしてくださいね
ではスターデルタ(Y-△)始動回路について紹介していきたいと思います。

関連記事:『スターデルタ始動方法とは何?使用時での注意点』

シーケンス図によるスターデルタ(Y-△)始動回路

下記がシーケンス図によるスターデルタ始動回路でスタート(運転)ボタンを押した時の状態となります。

【スター(Y)運転】

ST-BS(スタート)をON⇒MCYのコイルがON⇒MCY-aのa接点が閉じる⇒MCのコイルとTLR(タイマ)コイルがON⇒MC-aのa接点が閉じて自己保持となる。

このようにまず最初にスタートボタンを押すことでMCYのコイルとMCのコイルがONとなり『スター(Y)運転』となります。

次に下記がスター(Y)運転からデルタ(△)運転に切り替わった状態となります。

【デルタ(Δ)運転】

【デルタ(△)運転】

TLR(タイマ)時間(10~20秒)経過⇒TLR-b接点が開⇒MCYのコイルがOFF⇒MCY-bとTLR-aの接点が閉⇒MC△のコイルがON

この時に注意したいのが、上記の回路ではスター(Y)からデルタ(△)に切替える時にはスターデルタ(Y-△)専用のタイマを使用した回路でなければいけません。

なぜかと言うと、スター(Y)から切替わり時、接点のアークが消える前にデルタ(△)に切替わってしまい、電源がショートする恐れがあるからです。

そうならないようにスターデルタ(Y-△)専用タイマではデルタ(△)に切替える時、a接点からb接点動作のずれ時間(0.05~0.5秒ほど)が設定できるようになっています。

Y-△専用タイマを使用しない場合は切替える時に少し遅らせるように補助リレーを追加したりしないといけないので専用のタイマを使う方が簡単でいいですよ。

関連記事:『【第2種電気工事士】三相交流回路スター(Y)とデルタ(△)での電圧・電流・電力はどうなる?わかりやすく解説!』

ラダー図によるスターデルタ(Y-△)始動回路

下記がラダー図によるスターデルタ始動回路でスタート(運転)ボタンを押した時の状態となります。

【スター(Y)運転】

X0の運転ボタンを押すとY10のコイルがONで自己保持⇒Y10のa接点が閉⇒Y11のコイルがONとなりスター(Y)運転開始

次に下記がスター(Y)からデルタ(△)運転に切り替わった状態となります。

【デルタ(△)運転】

T0のタイマ値(10秒)経過⇒T0のb接点が開⇒Y11のコイル(Y運転)がOFF⇒T0のa接点が閉⇒T1のコイルがON⇒T1のタイマ値(0.5秒)経過⇒T1のa接点が閉⇒Y12のコイルがONとなり自己保持、デルタ(△)運転となる。

シーケンス図と違いラダー図は内部でタイマ値の設定ができるため、外付けのタイマーは不要となります。

そのかわり、内部でアーク防止用のインターロックをT1のように入れておかなければいけません。

また、スターからデルタに切替えの時間は10秒にしていますが、これは運転しながら適度に調整が必要です。

他に、安全のためにY運転と△運転が同時にONとならないように必ずハードとソフト両方でインタロックをかけるようにしてくださいね。

関連記事:『PLCシーケンサのハード図とソフト図の違いとは!?モータを使用した簡単な制御で紹介!』

まとめ

✔スターデルタ(Y-△)始動法

出力の大きなモータの始動電流を抑えるための始動方法のこと

✔どのような時にスターデルタ(Y-△)始動法を使うの?

一般に出力が『5.5kw以上』の3相かご形誘導モータを、全電圧始動すると大きな始動電流(定格電流の6~8倍)が流れるため、配線や他の機器などに悪影響を及ぼしてしまうのでこの始動法を使い、始動電流を3分の1に抑える。

✔Y-△専用タイマを使用する理由

スター(Y)から切替わり時、接点のアークが消える前にデルタ(△)に切替わってしまい、電源がショートする恐れがあるのでY-△専用タイマを使用してa接点からb接点動作のずれ時間を確保する。

✔ラダー図での注意点

外付けのY-△専用タイマを使用しないので内部でアーク防止用のインターロックタイマを入れる必要がある。

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