ラダー図で誤動作の原因となる2重コイルは避ける!
PLCラダー図を作成する場合に2重コイルはダメだと教えられている人も多いかと思います。
私も2重コイルはダメだと教えられているので他の命令でも2重コイルと勘違いして使用しなかったりした時がありました。
今回はラダー図作成の際に間違わないように2重コイルとはどんなものなのか?また対策方法や2重コイルにはならない間違いやすい回路例など紹介していきたいと思います。
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2重コイル(ダブルコイル)とは何?
【2重コイル(ダブルコイル)】
ラダー図(プログラム)上で同じ記号と番号のコイルを2つ以上使用すること
2重コイルは別名『ダブルコイル』とも呼ばれます。
ラダー図上で同じ記号と番号のコイルを使用すると誤動作の原因となってしまい、最悪、機械設備の破損や怪我となるので注意が必要です。
下記のようなラダー図が2重コイルとなります。
このように出力Y1が同じ記号Yと番号1となっているのが『2重コイル(ダブルコイル)』となります。
2重コイルにした場合はX2をONにしても動作しないなどの不具合が発生してしまい、予期しない動作となる原因になってしまいます。
私は三菱のソフトを使っていますが、作成時に2重コイルの場合には『~ステップで既に使用されています』という文字で知らせてくれるのでわかりやすいかと思います。
関連記事『PLCの入力ユニットと出力ユニットへの接続方法や種類についてわかりやすく説明!』
2重コイルにならないようにするには?
【2重コイル防止回路例】
下記のように入力をOR回路で作成するようにしてください。
X2かX3のどちらかをONにすることで、出力Y1がONとなります。
下記は出力をもう1つ追加した回路です。
このように出力を別の違う番号で出力し、後は外付けのリレーで同じようにしてもいいかと思います。
ちなみに入力Xの場合は重複使用しても問題ありません。
2重コイルとなるのは内部リレーや出力リレーの場合となるので覚えておいてくださいね。
関連記事:『シーケンス制御の基本回路はAND回路とOR回路とNOT回路の3つ!?詳しく解説!』
データレジスタDを使用する場合は2重コイルにならない!?
データレジスタDとはシーケンサ内のデータを格納するメモリのことです。
データレジスタにデータを格納する場合は下記のようにMOV命令を使用します。
データレジスタの場合は数値を格納するメモリとなっているため、同じ記号と番号を使用しても問題ありません。
間違いやすいので覚えておいてくださいね。
このMOV命令やデータレジスタDについては下記の記事に詳しく載せているので参考にしてみてください。
関連記事:『PLCの転送命令MOV(P)とは?回路に必須!?修理にも役立つ使い方の説明』
関連記事:『【三菱】PLCのデータレジスタ(D)とは何?いろいろな使い方をラダー図を使って紹介!』
まとめ
✔2重コイル(ダブルコイル)
・ラダー図(プログラム)上で同じ記号と番号のコイルを2つ以上使用すること
・2重コイルにした場合は誤動作の原因となってしまい、最悪、機械設備の破損や怪我となるので注意が必要
・2重コイルとならないようにOR回路にするか内部リレー、出力リレーの違う番号を使用するようにする
・データレジスタDの場合は数値を格納するメモリとなっているため、同じ記号と番号を使用しても問題ない
以上。
2重コイルは誤動作の原因となるので必ず同じ記号と番号にしないように気をつけてください。
2重コイルになっているかもしれない時は検索やツールの中のプログラムチェック機能を使うことで2重コイルを見つけることができるので覚えておきましょう。
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