ローラーチェーンでのジョイントクリップ方向に注意する!

2022年6月29日

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機械の駆動(回転)部分にはローラーチェーンがついていて、工場ではコンベアなど搬送させたい部分によく使用されているかと思います。

搬送部分が動かなくなった時はローラーチェーンの伸び、破損、錆などが原因で動かなくなる場合があり、そのような時にはジョイントのクリップ方向などに注意して交換しなければいけません。

また、日々のメンテナンスでは適切な箇所に注油する必要があります。

今回はローラーチェーンの構造や交換時のジョイントのクリップ方向、注油箇所について詳しく説明していきたいと思います。

⇒機械保全について私が参考にしたものを『【実践向け】機械の保守・保全作業が学べるおすすめの本』で紹介しているのでぜひこちらもご覧ください。

ローラーチェーンとはどんなもの?構造は?

【ローラチェーン】

動力の伝達に使われる部品のこと

ローラーチェーンは下記のような構造となっています。

使用される場所は主にベルトコンベアやローラーコンベアなど動力の伝達部分でスプロケットと組み合わせて使用されます。

ローラーチェーンは上記のような構造となっていて、スプロケットの歯車の間にローラー部分がはまり伝達するようになっています。

リンク数はローラーチェーン選定時や修理する際に必要となるので数え方を覚えておきましょう。(上記参照)

ピン、ブッシュ、ローラーの3つの摩耗によりチェーンの伸びや破損となりやすいので日々のメンテナンス時には確認するようにしてくださいね。

交換目安は?交換時はジョイントのクリップ方向に注意

ローラーチェーンの交換目安は張り調整いっぱいで1度切り縮めた後、次に再度たるんでいる場合は交換するようにしてください。

ローラーチェーンのたるみ限度は下記のように軸間距離の2%程度にしましょう。

このように1度切り縮めた後、再度たるんでいる場合に交換しますが、交換する場合、ジョイントのクリップ取り付け方向は下記のように取り付けてください。

上記の方向でジョイントのクリップを取り付ける理由としては、進行方向に対してクリップの開き側を向けておくと駆動時にもし何かに当たった場合に脱落の可能性があるからです。

このようなことにならないように進行方向に対して反対側に向けてクリップを取り付けるようにしましょう。

他の注意点としては狭い場所でジョイントをする場合は次に交換することを考えて、工具で外しやすい方向から取り付けるようにしてくださいね。
外しにくい場合は次にそれだけ交換時間がかかってしまうので注意しましょう。

ローラーチェーンへ注油の必要性と注油箇所は?

前述でも言いましたが、チェーンの摩耗による伸びはピン、ブッシュ、ローラーの3つの摩耗が起こり、特に可動部分となるピンとブッシュ間の部分ではほとんどが『油切れ』による原因となっています。

このような摩耗を発生させないようにする為には、日々のメンテナンスによる注油の重要性がわかるかと思います。

ローラーチェーンは回転方向によりゆるみ側が変わり、そのゆるみがある側でピンとブッシュの間にすきまができます。

注油箇所はそのすきまができたピンとブッシュ間に注油するようにしましょう。

ピンとブッシュ間のすきま部分に油を注油することで浸透しやすくなり、摩耗を防ぐことができます。

注油しない場合は摩耗が発生し、破損の原因となってしまうのでローラーチェーンには定期的に油を注油するようにしましょう。

まとめ

✔ローラチェーン

・動力の伝達に使われる部品のこと

・ベルトコンベアやローラーコンベアなど動力の伝達部分でスプロケットと組み合わせて使用される

・ピン、ブッシュ、ローラーの3つの摩耗によりチェーンの伸びや破損となりやすい

・たるみ限度は軸間距離の2%程度

・ジョイント部分は進行方向に対して反対側に向けてクリップを取り付ける

・ピンとブッシュの間にすきまができる位置に注油する

以上。

ローラーチェーンの構造やリンク数、交換目安の把握など保全には必要な知識なので覚えておいてくださいね。

また、定期的に注油することの重要性もしっかり理解しておきましょう。

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Posted by ネバヤン