【三菱】PLCラダー図のカウンタの使い方!実際の回路例も交えて分かりやすく紹介!
生産工場で何か製品の個数を数えたりする場合はこの『カウンタ』を使用されている機械が多いと思います。
まだあまりPLCを使っていない方はよく分からないかもしれませんが、そんな方にも今回、『カウンタ』について分かりやすく説明していきますね。
また、カウンタを使用した実際の回路例もラダー図(Qシリーズ)で紹介するのでぜひ合わせて確認してみてください。
⇒PLCやシーケンス制御、電気保全について私が実際使用して学んだものを『電気エンジニアが教える!技術を学べるおすすめ参考書』で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。
カウンタとは
【カウンタ】
入力信号の立ち上がり(ON)の回数を、設定値までPLC内でカウントするデバイスのこと
下記がカウントの計数回路とタイミングチャートです。
【動作説明】
①X0がONになるとカウンタC0のコイルがONとなりカウント(1回)
②同じ動作を繰り返し、設定値K10(10回のカウント)でカウントアップとなり、C0の接点がON
③C0の接点がONになるとY10のコイルがON
④X1をONにするとRST命令が実行され、カウント値が0となる
カウントは入力信号の立ち上がり(ONした瞬間)の時にだけカウントとなるのでONしっぱなしの状態の場合、カウント値は変わりません。
再度カウントさせる場合は1度OFFからONにさせることでカウントされます。
また、カウントアップ後は上記のようにRST命令を実行しない限り接点状態はONのままなので、その状態で入力信号をONにしてもカウントしません。
ですのでカウントアップ後は必ずRST命令実行するようにしてください。
他にも設定値は『K』による直接指定のほか、『D(データレジスタ)』による間接指定があります。
分からないと思うのでこれから説明していきますね。
関連記事:『PLCの基本命令PLS(パルス)とPLF(パルフ)の使い方!実際のラダー例も交えて紹介』
設定値KをD(データレジスタ)による間接指定にできる?
【D(データレジスタ)】
PLC内のデータを格納するメモリのこと
前述で説明したカウンタの設定値『K』は直接指定ですが、D(データレジスタ)は間接指定となっており、外部のディジタルスイッチで指定した値を、カウンタの設定値としたい時などに使うと便利です。
下記がD(データレジスタ)で間接指定した回路となります。
間接指定『D』は外部のディジタルスイッチなどによりいつでも設定値を変更したい時や同じカウント値を他でも使いたい時などでよく使用します。
直接指定『K』は外部により変更がすぐにはできないので、変更頻度が多い場合などは間接指定『D』の方がいいと思います。
ですのでその状況により使い分けるようにしてください。
データレジスタ(D)は他にもいろいろ使い方があるので詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてみてくださいね。
参考記事:『【三菱】PLCのデータレジスタ(D)とは何?いろいろな使い方をラダー図を使って紹介!』
カウンタを使用した回路例の紹介
【上記の説明】
スタートPBを押すとCVが運転となり製品が3個落下したことをセンサで検出するとコンベアは自動的に停止となり、もう1度スタートPBを押すと、再度CV運転となり最初と同じ動作を開始する。
下記がカウンタを使った回路例となります。
【動作説明】
①スタートPB(X0)がONになるとM20のコイルがONとY1のコイルがONでコンベア運転開始(Y1)
②M20が自己保持回路となるのでスタートPB(X0)を離してもコンベア(Y1)は運転したままとなる
③センサ(X1)が材料を検出するとC0のコイルがONとなり、カウント開始
④センサ(X1)がカウント(C0)の設定値3回検出(ON)するとカウントアップ
⑤カウントアップになると、C0のb接点がONとなりコンベアの運転停止
⑥C0のa接点はONしたままの状態となっているので、スタートPB(X0)を押すとRST命令がONとなりカウント値がリセットされ、それと同時に再度コンベア運転開始となる
このようにCVから流れてきた個数を数える場合などはカウンタを使用すれば数が分かりやすいかと思います。
また他にも間接指定を使いタイマ値をカウントでき、例えばスタートから5分後に警報を鳴らして知らせたい場合などでもこのカウンタを使用すればすぐにできますよ。
関連記事:『【三菱】PLCのラダー図で使用するタイマの使い方は?回路例も紹介!また他にも4種類ある!?詳しく解説!』
まとめ
カウンタについて要点を簡単にまとめておきますね。
【まとめ】
・カウンタは入力信号の立ち上がり(ON)になった時にカウント開始となる。
・カウントアップ後はONにしてもカウントされない。
・1度カウントアップするとRST命令を実行するまではカウンタ値は変化しない。
・カウントアップ前にRST命令が実行されるとカウント値は0にもどる。
・カウントの設定値は『K』を使用した直接指定と『D(データレジスタ)』を使用した間接指定がある。
以上。これだけの事を覚えておくとカウンタを使用した回路が組めると思うのでしっかり覚えておいてくださいね。
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