【三菱】PLCのラダー図で使用するタイマの使い方は?回路例も紹介!また他にも4種類ある!?詳しく解説!

PLCのラダー図でタイマは必ずと言っていいほど使用されていると思います。
例えば少しタイミングをずらしたい時なんかでもタイマ時間を変更するだけなので、とっても便利ですよね。
またこのタイマは4種類あり、その状況に合わせて使い分けてください。
今回はこのPLC(三菱Qシリーズ)のラダー図でのタイマの使い方、タイマの種類など分かりやすく解説していきたいと思います。
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タイマとは
【タイマ】
入力がONしている時間をPLC内で加算していき、設定された時間に到達すると、接点が動作するデバイスのこと。
下記がタイマの計測回路とタイミングチャートになります。


【動作説明】
①X0がONになるとT0のコイルがONとなり時間の計測開始
②T0のタイマ値(5秒間)の計測が完了すると、T0のa接点がON
③T0のa接点がONになるとY10のコイルがON
上記の回路のタイマは『低速タイマ』を使用しています。
この低速タイマーは100ms単位でタイムカウントしているのでK50の場合だと5秒となるわけです。
この秒数は間違えやすいので気をつけてください。

他にもタイマは全部で4種類あるのでそれぞれの特徴について紹介していきますね。
関連記事:『工場の機械制御によく使われている『PLC(シーケンサー)』とは何?PLCが学べる参考書も紹介!』
タイマの種類
【種 類】 |
低速タイマ・・・100ms単位でタイムカウント |
高速タイマ・・・10ms単位でタイムカウント |
低速積算タイマ・・・100ms単位でタイムを積算 |
高速積算タイマ・・・10ms単位でタイムを積算 |
【低速タイマ】
一般的に最も使用されているのが、この低速タイマです。
デバイスの種類:『T』を使用。
K50の場合:『5秒』となります。
【高速タイマ】
高速タイマは0.01秒など細かい時間の計測を必要とする場合に使用しています。
デバイスの種類:『T』を使用するが、出力命令(OUT)を(H T0 K50)と頭に『H』を付けます。
K50の場合:『0.5秒』となります。
【低速積算タイマ】
積算タイマは入力条件がONするとコイルがONとなり、加算を開始します。現在値が設定値と同じになるとタイムアップし、接点がONとなる。
加算の途中で入力条件がOFFになるとコイルはOFFになるが、現在値は保持され、再度入力条件がONするとコイルがONとなり、その現在値から加算し、積算されていきます。
デバイスの種類:『ST』を使用。
K50の場合:『5秒』となります。
【高速積算タイマ】
高速積算タイマも0.01秒などの細かい時間の計測が必要な時に使用します。
デバイスの種類:『ST』を使用。こちらも高速タイマと同じで出力命令(OUT)を(H ST0 K50)と頭に『H』を付けます。
K50の場合:『0.5秒』となります。
タイマはこのように4種類あるので、その目的によって使い分けるようにしてください。

私の工場では特に低速タイマと高速タイマがよく使用されていますよ。
ではこれからタイマを使用した回路例を紹介していきますね。
関連記事:『PLCで使用するOUTとSET・RSTの違いとは?また停電保持回路での使用例ついても紹介!』
タイマを使用した回路例

【動作】
動作としてはCV上に材料が流れていき、先端のセンサーがONすると材料が停止する。
【誤動作となる状況説明】
粉塵によりセンサーがちらつき(ON、OFF)材料が先端まで到達した事になり上記のように材料が先端までいかずに停止となる。
このようなセンサがちらつく時にはタイマを使い、ちらつきでも誤動作とならないようにします。
その回路が下記のようになります。

【動作説明】
①前工程より完了の信号M10がONになるとM20のコイルがONとY1のコイルがONとなりモータ運転開始
②M20のコイルがONになると自己保持回路となるのでY1のモータが運転した状態を保持
③センサーX0がONになるとT10のコイルがONとなり、0.5秒間計測を行い、完了になるとT10のb接点がONとなりモータ運転が停止
上記のような粉塵が多い状態の場合センサがちらつき、すぐに自己保持回路が切れてしまい、モータの運転を停止にしてしまいます。
そのような誤動作が起こらないようにタイマ(T)を使用します。
上記で言えば、T10にK5を入れることで、0.5秒間ONしないと接点動作しないようになり、センサのちらつきによる誤動作を防止することができるわけです。

ちなみにあまり秒数を長くしてしまうと、今度は先端の停止する場所を超えてしまうので注意してくださいね。
関連記事:『PLCの転送命令MOV(P)とは?回路に必須!?修理にも役立つ使い方の説明』
まとめ
タイマはPLCのラダー図を作成する場合ほとんどの回路で使用されています。
タイマは低速タイマ、高速タイマ、低速積算タイマ、高速積算タイマの4種類があり、状況に応じて下記のように使い分けるようにしてください。
・細かい時間の計測は必要ではない方⇒『低速タイマ』を使用
・細かい時間の計測が必要な方⇒『高速タイマ』を使用
以上。しっかり練習して使いこなせるように頑張ってくださいね。
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