電磁弁の排気部分よりエアー漏れ!原因は??
エア機器を使用している工場で勤務されている方は電磁弁の排気部分よりエアー漏れが発生している箇所を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
排気部分は通常動いていない時にはエアが漏れることはないので、エアが漏れているということは何かしら不具合が発生しているので対処しなければいけません。
今回は電磁弁の排気部分よりエアが漏れている場合に考えられる原因と実際に起こった時にどのように対処したかについて紹介していきたいと思います。
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電磁弁とは
・(P)⇒エアを供給するポートのこと
・(A)または(B)⇒シリンダへ給排気の流れ方向を切換えるポートのこと
・(R)⇒エアを排気するポートのこと
電磁弁にはポート数や位置数など種類があるのでその使用する用途に合わせて選定するようにしましょう。
関連記事:『電磁弁の3位置(3ポジション)の種類や特徴、動作について』
エア漏れとなっている状況説明
電磁弁とエアーシリンダを組み合わせていて弁を切換えることで前後にシリンダが動作します。
【後退時】
(P)よりエアが供給⇒(B)からシリンダに給気⇒シリンダー内部のエアが(A)ポートを通り5の(R)ポートよりエアを排気
【前進時】
(P)よりエアが供給⇒(A)からシリンダに給気⇒シリンダーのロッド側内部のエアが(B)を通り3の(R)よりエアを排気
エア漏れが発生している状況はシリンダが後退している状態の場合に5の(R)ポートより弁が切替わった後もずっとエアが漏れている状態です。
正常な場合はシリンダ内部のエアが排気されればそれ以上のエアが排気されることはありません。
このようにシリンダが動作していないのに電磁弁の排気ポートよりエアがずっと漏れている状態は正常ではないので原因を特定し対処していかなければいけません。
関連記事:『シングルソレノイドバルブとダブルソレノイドバルブの違いとは?ラダー図も使って説明!』
エアー漏れ原因と対処法について
電磁弁の排気ポートよりエアー漏れが発生している場合に考えられる原因としてはシリンダのパッキン不良、電磁弁の弁を切り換える部分(スプール)のパッキン不良が考えられます。
シリンダ、電磁弁どちら側でエア漏れが発生しているか確認する方法は後退時の場合、シリンダのロッド側ではない方(排気側)の継手に接続してあるエアホースを外してみてシリンダ内部よりエア漏れがないか確認し、エア漏れがある場合はシリンダ内部のパッキン不良が原因となります。
逆にシリンダ内部よりエア漏れしていない状態では電磁弁のスプールパッキン不良によるエア漏れが予想されます。
実際、このように確認をしていくとシリンダ内部よりエア漏れはなかったです。
長年使用していたので経年劣化による電磁弁のスプールパッキン不良と考え電磁弁を交換し結果、排気部分よりエア漏れがなくなりました。
ちなみに高額な電磁弁は分解してパッキンを交換した方がいいのかもしれませんが、私の工場で使用している電磁弁はそこまで高額な部品ではないので手間と確実性を考えれば電磁弁を交換した方がいいので分解はせずに新品の電磁弁に交換するようにしています。
シリンダのパッキン不良の場合、高額なシリンダもあるので(高額な場合)分解してパッキンを交換するようにしています。※型式により分解不可の場合もあります。
新品のパッキン交換時に注意することは向きや位置があるので間違わないように分解時には元の位置を覚えておくようにしてください。
また、よじれや傷防止のため専用のグリス塗布など忘れないようにしましょう。
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まとめ
✔電磁弁とは
電磁石(ソレノイド)に電流を流し、その吸引力で弁を切換える仕組みを持つものを電磁弁、またはソレノイドバルブと呼びます。
✔電磁弁の排気ポートよりエアー漏れが発生している場合に考えられる原因
・シリンダのパッキン不良
・電磁弁の弁を切り換える部分(スプール)のパッキン不良
✔シリンダ、電磁弁どちら側に問題があるか確認する方法
・シリンダのエア排気側のエアホースを外してシリンダ内部よりエアー漏れがないか確認する。ある場合はシリンダのパッキン不良、ない場合は電磁弁のスプールパッキン不良が予想される。
✔対処方法
・シリンダと電磁弁どちらも高額な物は可能であればパッキン交換、安価の場合には新品に交換。
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