ボルトやナットの緩み防止でよく使用されるダブルナット、Uナット、ネジロックについて
現場でトラブルとなり行ってみると結局はボルトやナットが緩んでしまっていたのが原因といったことが多いです。
ボルトやナットは経年劣化、振動する箇所などでは摩耗し隙間が生まれることで緩みやすくなってしまいます。
ボルトやナットが1つ外れるだけでも機械設備では様々な不具合が起こりやすくなる為、ボルトやナットが緩まないように『ダブルナット』『Uナット』『ネジロック』などが使用されます。
今回はこのダブルナット、Uナット、ネジロックとはどのようなものなのか詳しく説明していきたいと思います。
⇒機械保全について私が参考にしたものを『【実践向け】機械の保守・保全作業が学べるおすすめの本』で紹介しているのでぜひこちらもご覧ください。
ダブルナットとは
緩まないようにしたい時にナットを2つ使えばすぐにできるのでこの『ダブルナット法』が使われている箇所は多いかと思います。
しかし、2つのナットをただ締めるだけでは緩み止め効果が得られません。
【締め付け方法】
下側ナットを締め付ける⇒上側ナットを締め付ける⇒下側ナットを逆回転(上側のナット)方向に締め付ける
上記のように締め付けることでお互いが押し合いの状態となり緩み止めとなります。
注意点として上側ナットに軸力がかかり下側ナットは上側のナットが緩まないような役目があるので厚いナットと薄いナットを使用する場合には上側に厚いナット、下側に薄いナットとなるようにしましょう。
関連記事:『ボルトに入れる平ワッシャーやスプリングワッシャーの役割とは?順番もある?わかりやすく解説!』
Uナットとは
Uナットは普通のナットとは違い『フリクションリング』と呼ばれる特種バネがナットの上面に固定されていてボルトを締め込むことでこのフリクションリングがボルトのねじ面を押さえゆるみ止め効果が得られます。
機械設備では振動などにより緩んでしまう箇所がたくさんあるのでそのような場所には緩まないよう『Uナット』を使ってみるといいかと思います。
Uナットは特に特別な事など何もなく、普通のナットのように締め込めば大丈夫ですよ。
ただしっかりゆるみ止め効果を発揮させるためにもボルトのネジ山(2山以上)は出すようにしましょう。
ネジロックとは
【ネジロック塗布方法】
ボルトのネジ先端部分に少量塗布⇒締めつけることでネジロックが全体に塗布される⇒締め付け後接着剤が乾き固まる。
このネジロックには接着剤の強度により色分けがされていて、最も強力な接着剤が『赤』となっています。
『赤』は1度固まってしまうと、工具などでは緩みにくくなってしまい、取り外す場合には加熱が必要となる場合もあります。
逆に『青』は中強度の接着剤となっているので固まった後も工具を使って取り外し可能となります。
このようにネジロックには接着剤の強度があるので使用箇所により使い分けるようにしましょう。
私が普段メンテナンスで使用しているネジロックは主にこの『赤』と『青』をよく使用していますよ。
まとめ
✔ダブルナット
・ボルトにナットを上下2つ入れること。⇒2つのナットを締め付けることでお互いが押し合いの状態となり緩み止め効果が得られる。
・締め付け方法
下側ナットを締め付ける⇒上側ナットを締め付ける⇒下側ナットを逆回転(上側のナット)方向に締め付ける
✔Uナット
・メタルリングゆるみ止め機能をもったナットのこと。
・『フリクションリング』と呼ばれる特種バネがナットの上面に固定されている。
✔ネジロック
・ネジのゆるみ防止のため接続部分を固める接着剤のこと。
・ネジロック塗布方法
ボルトのネジ先端部分に少量塗布⇒締めつけることでネジロックが全体に塗布される⇒締め付け後接着剤が乾き固まる。
以上。
ナットやボルトの緩みが起こりやすい箇所をそのまま締め込むだけでは再度緩みによるトラブル発生となってしまいます。
そのような場合には再度緩まないように前述で紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。
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