【電験3種】電荷と電界って何?この2つについてわかりやすく解説
電荷と電界ってどんなものか分かりますか?
電験3種で勉強をしていても結局どういうものなのか理解できない方も多いのではないかと思います。
ですので今回はこの2つ『電荷』と『電界』についてわかりやすく説明していきたいと思います。
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電荷とは
【電荷】
粒子や物体が帯びている電気の量を表し、単位はクーロン[C]。
特徴としては、上記のように同じ符号同士の電荷を近づけると、『斥力という反発しあう力』が働き、逆に異なる符号同士の電荷を近づけると、『引力という引き合う力』が働く⇒この力を『静電気力(クーロン力)』という。
この静電気力(クーロン力)は2つの点電荷がr[m]離れて置かれているとき、おのおのの点電荷には下記の式で求めることができる。
上記の式を『クーロンの法則』といい、電荷の大きさと距離の関係を示す式です。
この式からわかるように距離が近いほど、電荷が大きいほど、『力は大きくなる』というのを覚えておいてください。
分かりましたか?
電荷とは簡単にいうと、電気を起こすことのできる粒子と考えてください。
ちなみに日常生活で何か物に触るときにバチってなる時ありますよね?
これは『正電荷』と『負電荷』のバランスが崩れ、静電気が引き起こされているのです。
関連記事:『電気を理解するには最も基本的な電圧、電流、抵抗の理解が必要不可欠。分かりやすく解説!』
電界とは
【電界】
電圧のかかった空間のこと
下記ように電圧がかかった部分が電界です。
直流回路に2枚の金属板を隙間をあけておいたものです。
そうすると電池のマイナス側には金属板全体がマイナスの電気を帯び、プラス側にはプラスの電気を帯びます。
それぞれを『+Q[C]正電荷』と『-Q[C]負電荷』といいます。
・プラスを帯びた金属板からマイナスを帯びた金属板に向かって電圧がかかっていて、この空間のことを⇒『電界』
・プラスからマイナスに向かう電圧の方向を⇒『電界の向き』
・点線の矢印を⇒『電気力線』
身近なものわかりやすくいうと、ランプのスイッチをOFFのままでコンセントに差し込んでもランプは点灯しないですよね?
ですが、電圧はかかっているので『電界は発生している状態』となるのです。
関連記事:『【電験3種】有効電力、無効電力、皮相電力とは?また力率についてもわかりやすく解説』
電界中の電荷に働く力(電界の強さ)とは
電界は大きさと向きをもつベクトルで表され、その強さを『E』で表し、単位には[V/m]を使います。
E[V/m]の電界中にq[C]の電荷を置くと、上記のように『F=qE[N]』の力を受けます。
電界の強さはE[V/m]中に+1[C]の電荷を置いた時に働く力の大きさ[N]で求めることができ、またその力の向きが電界の向きとなります。
例えば、電荷Qの点からr[m]離れた点における電界の強さは、+1[C]の電荷を置いた時の力がF=Q/4πε₀r²[N]となることより、この式をそのまま用いて下記のようになります。
このように電界中に置かれた正電荷の場合、正の電荷が受ける静電気力の向き、大きさ『F』と電界の向き、強さ『E』は同じ値となることがわかるかと思います。
関連記事:『電力、電力量、熱量とは?違いについてもしっかり覚えよう!』
まとめ
【電荷についてのまとめ】
・電荷・・・粒子や物体が帯びている電気の量を表し、単位はクーロン[C]
・同じ符号同士の電荷・・・斥力という反発しあう力
・異なる符号同士の電荷・・・引力という引き合う力
・クーロンの法則・・・2つの点電荷間に働く力(斥力と引力)を決定する法則のこと
【電界についてのまとめ】
・電界・・・電圧のかかった空間のこと
・電界の向き・・・プラスからマイナスに向かう電圧の方向
・電気力線・・・電気力の様子を視覚的に表現するための仮想的な線のこと
・電界中の電荷に働く力・・・F=qE[N]
・電界の強さの公式・・・E=Q/4πε₀r²[V/m]
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