電験3種の理論合格で最も重要な『インピーダンス』について詳しく解説!

直流回路では電流を制限する要素として抵抗をご紹介しましたが、交流回路では『インピーダンス』と言う電流を制限する要素が出てきます。
このインピーダンスって最初に参考書を読んでもあまり理解できませんよね。
理解しているつもりでも結局インピーダンスって何なのかあまり理解出来ていない人多いと思います。
今回はこの『インピーダンス』について詳しく解説していきたいと思います。
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インピーダンスとは
交流回路では抵抗だけでなく、『コイル』や『コンデンサ』が電流を制限する要素として働きます。
これらの要素をまとめて『インピーダンス』と呼びます。
インピーダンスは下図のように抵抗R、誘導性リアクタンス(コイル)XL=ωL[Ω]、容量性リアクタンス(コンデンサ)Xc=1/ωC[Ω]の組み合わせで構成されます。

またコイル、コンデンサの回路素子としての定数をインダクタンス(H:ヘンリー)、キャパシタンス(または静電容量F:ファラド)と呼びます。
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電圧と電流の位相
コイルやコンデンサは、電圧と電流の間に位相のずれを生じさせる作用があります。
下記の図のように位相差が生じます。

コイルに流れる電流は遅れ電流となり、『誘導性』となります。
コンデンサに流れる電流は逆に進み電流となり、『容量性』となりますよ。よく覚えておいてくださいね。
ちなみにコイルで遅れ電流ばかりだと無効電力が大きくなって力率が悪くなるので、コンデンサを取り付けて無効電力を減らす事で力率改善となりますよ。
そうする事で効率がよくなり電気代も安くなるというわけです。
直列回路でのベクトル図

直列回路ではR、L、Cに流れる電流は同じなので電流を基準に考えます。
下記図は直列回路でのベクトル図の考え方です。

直列回路は電流を基準で考えます。
このようにベクトル図を書いていくと、電源電圧V=√VR²+(VL-Vc)²の計算式により求められますよ。
並列回路でのベクトル図

並列回路ではR、L、Cにかかる電圧は同じなので電圧を基準に考えます。
下記図は並列回路でのベクトル図の考え方です。

並列回路では抵抗、コイル、コンデンサの端子電圧は同じなので電圧を基準に考えます。
このベクトルを利用して電流値Iを求めるとI=√IR²+(IL-Ic)²で求められます。
まとめ
直列回路と並列回路で電流か電圧を基準にするかで違ってきます。
直流は抵抗しか電流制限を受けませんが、交流だとコイル、コンデンサの電流制限を受けるので計算式としてはかなり複雑となってきます。
このベクトルの使い方をしっかり覚えておく事で計算しやすくなるはずです。
まずはこの基礎部分をしっかり覚えて応用問題挑戦してみてくださいね。
また応用問題はかなり難しくなるので独学で調べて進めていくとかなり時間かかってしまいます。
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