非常停止が誤動作?その原因はパワーサプライかも!?その理由を説明
生産設備で非常停止は必ず使用されていますよね。
そんな非常停止が生産中に誤動作してしまうと生産ラインが停止となり、再度最初から生産現場を立ち上げなくてはなりません。
ですので今回は非常停止の誤動作に少しでも早く対応できるようによくある原因や対処方法など詳しく説明していきたいと思います。
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非常停止とは
【非常停止ボタン(スイッチ)】
生産現場で人の安全や設備の健全性を守るために機械設備を緊急停止させるスイッチのこと。
非常停止回路の紹介
PLC(シーケンサ)を使用した非常停止回路例を下記に紹介します。
※不具合が発生した時の仕様は非常停止の入力(DC24V)をPLCに取り込んで回路を組んでいます。
このように非常停止回路は一番先頭ですべてがOFF(緊急停止)となるように回路を組みます。
非常停止はプログラム上ではa接点で組んでありますが、実際のスイッチの配線はb接点に接続しています。
ですので入力が『ON状態』となっているので非常停止X0の正常時はONとなっていますよ。
モニターをすればON状態が確認できるので分かりやすと思います。
なぜb接点にするかと言うと、a接点だと配線が断線している時や接点にゴミなどが付着している場合はONできなくなりますよね。
ですのでこの場合、いざ緊急停止したい時にできません。
それだと困るのでb接点にするわけです。
b接点だと断線した時は非常停止となりすぐに不具合が見つかり、接点も常に閉状態なので接点にゴミが付着しにくいです。
このような理由から非常停止はb接点としているので覚えておいてくださいね。
⇒PLCについて知りたい方は『PLC(シーケンサ)とな何?学べる参考書も紹介』で紹介しているので参考にしてくださいね。
誤動作発生状況と考えられる原因
【誤動作発生状況】
生産中に非常停止がいきなりOFFとなり生産ラインが停止となってしまう。
【非常停止の誤動作発生の考えられる原因】
①非常停止接点の焦げ付き
②非常停止の配線が断線しかかっている
③電源部分の不具合となっている
非常停止がOFFとなる原因は上記3点が主に考えられます。
トラブル時は考えられる原因をまず出していき、その中からさらに原因を絞っていきます。
そうすることで不具合になっている箇所を特定することができますよ。
関連記事:『シーケンス制御の基本初心者向けに電気エンジニアが解説』
誤動作原因を特定する手順
まず考えられる原因の上記3点で簡単にすぐに試すことができることから始めます。
・《原因調査手順》
【①の対応策】
接点の焦げ付きによる不具合になっていないかの確認で接点を下記のように『短絡』にしてみてください。
短絡をしてみることで接点が原因かどうかを簡単に確認することができますよね。
解決できない場合は次⇓
【②の対応策】
配線が断線していないかの確認は明らかに心線がむきだしや潰れかけなど目で見てすぐに分かる場合もあるのでまずは目視で電線を確認してみてください。
目視で確認しても分からない場合は次に電線を交換してみるか端子台で『短絡』してみてください。
まーまずは短絡してみる方がすぐにできるので下記のように端子台で短絡をまずやってみた方がいいですね。
関連記事:『電気の不具合でよく起こる短絡や地絡、漏電、の違いとは?』
解決できない場合は次⇓
【③の対応策】
これだけやって正常の場合は電線や非常停止PBに問題はないので最後は電源部分を確認してください。
この非常停止PBの入力には電源部分は『DC24V』を使用しています。
ですので電源部分が正常にDC24Vあるかの確認をしてみてください。
結果:不具合動作の原因はパワーサプライだった!
電源には『パワーサプライ』を使用。
【パワーサプライ】
商用電源(交流)を直流電圧(DC24Vなど)に変換する装置のこと。
パワーサプライを電圧測定したところ『出力電圧が低下となり不安定』となっていました。
【結果】
・パワーサプライの出力電圧が低下となり非常停止スイッチがOFFとなっていた。
電源部分の電圧が不安定になると入力や出力の誤作動の原因となるので最後は電源部分を疑ってみてください。
あとパワーサプライの出力電圧を測定する時の注意点として、負荷の変動やパワーサプライの出力容量を超えているなどして『過電流保護』が動作している場合もあります。
ですので必ず負荷を外した状態で出力電圧を測定するようにしてくださいね。
まとめ
不具合が発生した場合、まずは考えられる原因で簡単にすぐできることから対応を行ってみてください。
非常停止の不具合などは大体が接点不良でトラブルとなる場合が多いですが、まれにこのように電源部分の不具合により、非常停止の誤動作となることもあるので覚えておいてくださいね。
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