ボタン1つでON/OFF回路は難しい?PLC(シーケンサ)のラダー図とリレー制御回路で紹介!

2024年4月7日

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ボタンが1つしかなく、どうしても1つのボタンでON/OFFしたい場合などがありますよね。

このようなボタン1つで制御回路を作成しようとした時になかなか覚えておかないと難しいと思います。

私も最初にすごく考えたのを覚えています。

今回はこの1つのボタンでON/OFFする回路について分かりやすく説明していきたいと思います。

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ラダー図によるON/OFF制御回路

1つの入力で出力がON/OFFを繰り返す回路を『オルタネート回路』ともいいます。

ラダー図によるON/OFF制御回路は以下2種類が使いやすいので紹介しますね。

・パルスを使用する回路

・反転出力FF命令(フリップフロップ)を使用する回路

パルスを使用する回路

パルスを使用した回路が下記のようになります。

下記がボタンスイッチを押した後の状態となります。

【動作説明】

①X0押しボタンを押すとパルスが1スキャンONとなる。

②パルスの接点M0がONとなりM1の補助接点がON。

③M0が1スキャンだけなのでOFFとなり、M1の補助接点がONとなるので自己保持となる。

④M1が自己保持となりY1が出力されランプ点灯となる。

ON/OFF回路は考えてやると分かりづらいのでこの回路をそのまま覚えた方がいいですよ。
私はON/OFF回路を作成する場合はこの回路をそのまま使用しています。
回路も早くできるのでそのまま暗記する事をおすすめします。

参考記事:『PLCの基本命令PLS(パルス)とPLF(パルフ)の使い方!実際のラダー例も交えて紹介。』

反転出力FF命令(フリップフロップ)を使用する回路

反転出力FF命令を使用する回路は下記のようになります。

【動作説明】

①押しボタン(X0)を押すとY1のランプが点灯する。

②押しボタン(X0)を離しても出力は保持されているのでランプは点灯したままとなる。

③再度押しボタンを押すとY1の出力はOFFとなりランプは消灯する。

④押しボタン(X0)を離してもそのまま消灯したままとなる。

この出力反転命令(FF)を使えば簡単にできます。
少し分かりづらいと思うので『タイムチャート』も載せているので動作をよく確認してくださいね。
ちなみにAシリーズやFXシリーズにはこの命令がないのでパルスのやり方もしっかり頭に入れておいた方がいいですよ。

参考記事:『PLCの転送命令MOV(P)とは?回路に必須!?修理にも役立つ使い方の説明』

リレーシーケンス制御回路でのON/OFF回路

リレーシーケンス制御回路でのON/OFF回路は下記のようになります。

下記がボタンスイッチを押している状態となります。

下記がボタンスイッチを離した状態~再度消灯させる説明となります。

【動作説明】

①押しボタンを押すとR1がONとなりランプが点灯。

②R2のコイルがONとなりR2の接点が閉じて自己保持となる。

③押しボタンを離すとR3のコイルがONとなり自己保持となる。

④再度押しボタンを押すとR4のコイルがONとなり自己保持となる。

⑤R4の接点が開となりランプが消灯する。

リレー制御回路では押しボタン1つでON/OFFする回路を作成する場合はかなり複雑となってしまいます。
ですので押しボタンはなるべく『オルタネイト』を使用するようにしてくださいね。
オルタネイトとは1度押すとON状態を保持してもう1度押すとOFFとなります。
このオルタネイトを使用すると簡単に回路を作れると思いますよ。

参考記事:『【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!』

まとめ

1つのボタンでON/OFF回路は知っておかないとなかなか分かりづらいと思うのでしっかり覚えてくださいね。

今回紹介した内容をまとめておきます。

【まとめポイント】

・PLCでON/OFF回路作成する場合は回路を暗記する。

・リレーシーケンス制御でON/OFF回路作成する場合は『オルタネイト』の押しボタンを使用するようにする。

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