シングルソレノイドバルブ(電磁弁)は電源投入、停電時の動作に注意!ラダー図(PLC)での対策方法!
シングルソレノイドバルブ(電磁弁)を使用している工場は多いと思います。
ですがこのシングルソレノイドバルブを使用する際には注意が必要なんですね。
なぜ注意が必要なの?シングルソレノイドバルブとは何?というのを今回実際のラダー図を使用して分かりやすく説明していきたいと思います。
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シングルソレノイドバルブ(電磁弁)とは
【シングルソレノイドバルブ】
1つの出力で弁を切り替える方式のもの(2位置型)
下記が空気圧回路図です。
シングルソレノイドバルブの動作はソレノイドに電流を流してON状態にするとソレノイドの力で中のスプールが右に移動します。
右に移動するとロッド側の反対にエアーが流れ、シリンダが前進となるわけです。
逆にOFFになると、今度はスプリングの力で左方向にスプールが動きロッド側にエアーが流れ、シリンダが後退します。
ですのでOFFになると必ずシリンダが後退となるので覚えておいてくださいね。
ちなみにソレノイドとは『導線をらせん状に巻いた円筒状のコイル』のことを言いますよ。
電源投入時の不具合回路と対策回路
シングルソレノイドバルブを使用していて原点位置を前進端にしている場合は注意が必要です。
その理由としては、上記で説明したようにソレノイドに通電していない時にはOFFとなるのでシリンダは後退となります。
この時に再度電源投入時にはソレノイドがONとなり前進してしまいますよね?
その付近に人などがいた場合はいきなり動くので怪我になる可能性が高くなってしまいます。
そうならない為にもラダー図で電源投入時に動かないようにしなければいけません。
下記が電源投入時に動いてしまうラダー図となります。
【動作説明】
①スタートPBを押すとM1がONとなりY1がOFF、シリンダが後退
②5秒後にT0がONでM1がOFFとなりY1がON、シリンダが前進
この回路で電源投入するとすぐにシリンダが前進してしまいますよね。
そうならないように下記のような回路にします。
【動作説明】
①運転準備入PB(X0)をONにするとM0がONになりシリンダが前進
②M0がON状態でスタートPB(X2)を押すとM2がONとなりY1がOFF、シリンダが後退
③5秒後にT0がONでM2がOFFとなりY1がON、シリンダが前進
修正回路では電源投入時にすぐにシリンダが動かないように運転準備入(X0)をスタートPB(X2)の前に入れています。
この運転準備入を追加することで電源投入時やPLCのRUN時にすぐ動作させずに作業者が自発的に運転準備入を押すので比較的安全だと思いますよ。
⇒シーケンス制御について知りたい方は『シーケンス制御の基本初心者向けに電気エンジニアが解説』を参考にしてくださいね。
停電時の対策回路
停電時の場合などは急に電源がOFF状態となるので、シングルソレノイドバルブだとシリンダが後退になり危ないですよね。
その場合の対策としては『ラッチリレー』を使用します。
【ラッチリレー】
シーケンサ内でON状態の時に停電が起こっても1スキャンだけOFFしない内部リレーのこと
自己保持回路での停電保持回路は下記となります。
『SET』命令を使用しての停電保持回路は下記のようになります。
このように停電でOFFとなりシリンダが動作する場合には停電保持回路を組んだ方が安全です。
ちなみに内部のバッテリでON状態を保持しているので、バッテリの定期交換はしっかりするようにしてくださいね。
SET・RST命令について知りたい方は『PLCで使用するOUTとSET・RSTの違いとは?また停電保持回路での使用例ついても紹介!』を参考にしてくださいね。
まとめ
シングルソレノイドバルブは1つの出力で使いやすいですが、その反面、OFFになると戻ってしまうのでこのように対策が必要となってきます。
ですが、簡単に動かす程度なら安く、便利なので工場内でもシングルソレノイドバルブはよく使用されています。
ですので使用する時には怪我等にならないようにしっかりと安全対策は行って使うようにしてくださいね。
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