シーケンス図(制御回路)の読み方と動作について初心者向けに基礎から解説!
初めてシーケンス図を見ると全く理解できない方は多いかと思います。
私も最初の頃にシーケンス図を見ながら制御盤の配線をしていたのですが、その図面通りに配線をするのがやっとで、全く理解できませんでした。
シーケンス図が読めなければ制御に関して理解ができず、また配線やトラブル対応なども対処することができません。
ですので今回はシーケンス図を初心者の方にも理解できるようにわかりやすく基礎を解説していきたいと思います。
⇒PLCやシーケンス制御、電気保全について私が実際使用して学んだものを『電気エンジニアが教える!技術を学べるおすすめ参考書』で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。
内容を動画にもまとめているのでぜひご覧ください。
シーケンス図とは?電気回路図との違いは?
【シーケンス図】
動作の順序にしたがって配列し、動作の内容を理解しやすくした接続図のことで『シーケンスダイヤグラム』または『展開接続図』ともいう
下記が電気回路図とシーケンス図の違いとなります。
電気回路図は電源から負荷までを閉回路で表すが、シーケンス図では電源部分を省略し、上下2本の平行線を電源として表しています。
またこの平行線を『制御母線』といいます。
電源部分が上下の母線(平行線)で表しているのが大きな違いとなります。
他にシーケンス図は縦書きや横書き、また動作順序など決まりがあるので順番に説明していきますね。
関連記事:『シーケンス制御で使用するa接点、b接点、c接点とは?違いや記号についても詳しく説明!』
シーケンス図の種類と動作順序
シーケンス図は縦書きと横書きに分かれていて、下記のような図となります。
制御母線の方向と電流が流れる方向で『縦書き』と『横書き』を区別しています。
どっちを使ってもいいですが混用は避けるようにしましょう。
次に下記が電流の流れる向きと動作する順序となります。
【縦書きの場合】
⇒左から右へ順番に動作していき、電流は上から下へ向かって流れる。
【横書きの場合】
⇒上から下へ順番に動作していき、電流は左から右へ向かって流れる。
私の工場では『縦書き』をよく使っていますよ。
一般にリレーを使ったシーケンス図だとこっちの方が多いかと思います。
関連記事:『【シーケンス制御の基本】有接点リレーと無接点リレーの違いとは?わかりやすく解説!』
電源はどのように表すの?
直流電源は下記のように表します。
直流電源の場合は『P(正+)』と『N(負-)』で表します。
【縦書きの場合】
⇒上側:『P(正+)』
⇒下側:『N(負-)』
【横書きの場合】
⇒左側:『P(正+)』
⇒右側:『N(負-)』
交流電源は下記のようになります。
交流電源の場合は『R相』と『S相』または『T相』で表します。
【縦書きの場合】
⇒上側:『R相』
⇒下側:『S相』または『T相』
【横書きの場合】
⇒左側:『R相』
⇒右側:『S相』または『T相』
ちなみに直流電源PとNは交流から直流に変換するパワーサプライという機器が必要となります。
詳しく知りたい方は下記の記事参考にしてみてくださいね。
参考記事:『パワーサプライとは何?トラブルにもよくなる!?使用方法などわかりやすく紹介!』
実際の動作説明と文字記号について
下記が実際の動作と文字記号について縦書きで説明した図です。
【動作説明】
BS1の押しボタンをON⇒R1のコイルがON⇒R1-a1の接点が閉で自己保持⇒同時にR1-a2の接点が閉⇒ランプLが点灯
このように押しボタンを押すと、コイルに電流が流れて、自己保持となります。
自己保持やリレーについては下記の記事に詳しく書いているので参考にしてみてください。
参考記事:『【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!』
まとめ
✔シーケンス図
・動作の順序にしたがって配列し、動作の内容を理解しやすくした接続図のことで『シーケンスダイヤグラム』または『展開接続図』ともいう
・電源部分は省略し、上下2本の母線(平行線)を電源として表している。
・制御電源母線の方向と電流が流れる方向で『縦書き』と『横書き』を区別している。
・直流電源の場合は『P(正+)』と『N(負-)』で表し、交流電源の場合は『R相』と『S相』または『T相』で表す
以上。
制御回路を理解する上でシーケンス図は基本となる部分なのでしっかり覚えるようにしましょう。
複雑な回路ではPLCを使用している機械が多いと思いますが、古い機械などではこのシーケンス図だけで配線しているものも多いはずです。
他にもシーケンスに関しての記事を書いているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
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