制御電源のサーキットプロテクタ(CP)がトリップする!?原因を特定する方法について
今回、機械設備が動かなくなるトラブルが発生し確認すると制御電源のサーキットプロテクタ(CP)がトリップしていました。
この制御電源がトリップしてしまうと目視ですぐに原因が分かればいいですが、分からなければ原因を特定するのにはかなり時間がかかってしまいます。
特に初心者の方は何が原因でトリップしているのか方法を知っておかないとなかなか原因を特定するのは難しいのではないかと思います。
今回は制御電源のサーキットプロテクタ(CP)がトリップした時、実際に原因を特定した方法について紹介していきたいと思います。
サーキットプロテクタ(CP)がトリップした状況説明
サーキットプロテクタとは機器の過電流から保護する装置のことで主に低容量の制御回路などでよく使用されています。
下記の制御回路でCP2(サーキットプロテクタ)のトリップが発生しました。
リモートとはリモートI/Oユニットのことで離れた場所で入出力信号を受け渡しすることができる電子機器のことです。
その1、2用のリモートで使用するDC24V電源で何かしら不具合が発生していると考えられます。
CP2を入れても再度トリップしてしまうので電源は入らない状態です。
ではこのような状態の時、どのようにして原因を特定していったか説明していきますね。
関連記事:『配線用遮断器と漏電遮断器の違いや選び方について分かりやすく紹介!』
原因を特定する方法について
サーキットプロテクタ(CP)がトリップする主な原因
・負荷電流がCPの定格電流値を超えている
・配線や機器で『ショート』している
・ブレーカ自体の劣化による動作不良
何年も普段使用している機械設備で、また動作もさせていないので容量オーバーは考えにくいです。
次にブレーカ自体の劣化ですが、2次側の電線を取り外しすとCPをON(入れる)ことができるのでブレーカ自体に問題はありません。
このことから配線がどこかで断線しかかっているか機器が故障したことでショートしていることが考えられます。
CP2の2次側(負荷側)のどこかでDC24Vがショートしている場合にはテスターで導通を確認しながら調査していくか、電源ラインの配線を1本づつ外してCPを入れての繰り返しで原因を調査していくかになるかと思います。
今回の場合ではリモートI/Oユニットに接続しているセンサーや電磁弁、ランプなどが端子台に配線してあるので、そこのP241を順番に1本ずつ外して原因を調査していきました。
その結果、センサーに配線してあるP241のプラス側を外すとCP2はトリップしなかったので確認してみると、ねじが緩み外れていて機械の押さえ装置に挟まって破損していました。
新品に交換することでCP2がトリップを起こすことはなくなりました。
DC電源が原因でショートしている場合、目視ですぐに特定できればいいですが、分からない場合にはテスターで確認していくか順番に配線を外していき調査していきます。
特に接続先が多い場合は特定にかなり時間がかかってしまうので大変なんですよね。
関連記事:『電気の不具合でよく起こる短絡や地絡、漏電、の違いとは?』
まとめ
サーキットプロテクタの2次側がDC電源で、トリップ原因がショートしている場合にはセンサーや電磁弁、ランプなどの電源ラインが短絡している可能性が高いです。
このような場合にはテスターで導通を確認していくか前述で説明したようにプラス側を端子台などから配線を1本づつ外していきながら確かめ、どの部品、または配線で短絡を起こしているかを順番に確認していきましょう。
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