制御盤の配線に線番号がいる理由とは!?線番号の決め方や向きにも注意が必要!
制御盤には線番号がついたマークチューブというものが電線ごとについています。
配線する時にはこの線番号を決めて配線をしていくのですが、どのように番号をつけていくのか最初は悩むかと思います。
またマークチューブの向きもユーザーによる指定などがある場合もあります。
今回は制御盤に配線する際の線番号の必要性や決め方、またつける向きなどについても説明していきたいと思います。
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制御盤のマークチューブ(線番号付き)とは何?必要な理由とは?
この線番号には規格等、特に決まりはないので自由に決めることができるのですが、共通しておいた方が後で他の人が調べたり、改善等行う時でもわかりやすいかと思います。
また線番号の向きなども規格等はないですが、ユーザーから指定があればその向きにしなければいけません。
古い機械などは線番号の入ったマークチューブがない機械などもあり、修理時にわかりづらく、配線もたどっていかないといけなくなり、手間と時間がかかってしまいます。
このような事にならないよう配線する前に図面などに番号を割り振り、後で修理や確認する際でもわかるようにしておきましょう。
線番号の必要性はわかったかと思います。
では特に決まりごとはないですが、私が実際にどのように線番号を決めているか、1つの参考例として見てください。
関連記事:『シーケンス制御回路で主によく使われる旧JIS(図記号)と新JIS(図記号)をわかりやすく紹介!』
主回路(動力)部分と制御回路部分の線番号
主回路(動力)部分の線番号
主回路部分のELCBの1次側は電源『R、S、T』⇒ELCBの2次側からMCCB1、2までを『R0、S0、T0』⇒MCCB1の2次側からMC1までを『R1、S1、T1』⇒MC1の2次側からモータへは『U1、V1、W1』と線番号をつけていきます。
※MCCB2の方も同じように線番号をつけていきます。
下記が制御回路部分の線番号となります。
このように上下が母線(電源線)となり、AC200VなのでR200、S200などわかりやすくしておきます。
後は、上から動作する順番(連番)に線番号を書いていき、他の線番号と同じとならないように作成していきます。
他の電圧での母線としては、AC100VだとL(非接地側)、N(接地側)やDC24VだとP24(正極)、N24(負極)などを使用したりしています。
注意点としてはトラブルとならないように必ず同じ線番号を他で使用しないことと機器間での電線は同じ線番号を使用するようにしてくださいね。
関連記事:『制御盤の仕組み!動力回路と制御回路の違いとは?』
線番号には向きがある?
線番の向きは前述でも説明しましたが、規格等はありませんが、ユーザーから指定があればその向きで配線しなければいけません。
指定がなければ、特に決まりはありませんが、他の人が見てもわかりやすく、確認しやすいように共通にしておいた方がいいかと思います。
社内では制御盤を組む場合は『左から右、下から上』に読めるように線番号の向きを揃えています。
このように向きを統一することで他の人が見ても認識しやすくなるのでルールを決めておくようにしておきましょう。
向きを気にせずに配線をしてしまうと線番号がバラバラとなり見た目もよくありませんし、また逆から読んでしまい間違えて認識する場合もあるので注意するようにしてください。
関連記事:『シーケンス図(制御回路)の読み方と動作について初心者向けに基礎から解説!』
まとめ
✔制御盤のマークチューブ(線番号付き)
・制御盤の配線作業時に使用され、配線ミスや保守、点検を容易にするもの
・線番号には規格等、特に決まりはないので自由に決めることができるのですが、他の人が見てもわかるように共通にしておく。
・線番号の向きは、ユーザーからの指定がなければ『左から右、下から上』に読めるように線番号の向きを揃える。
以上。
線番号は特に決まりごとはないですが、間違わないようにするために統一するようにしましょう。
今回紹介した線番号の決め方や向きなど参考例の1つとしてぜひ覚えておいてくださいね。
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