ラダー図作成時に『制御部』と『出力部』を分ける理由とは?

2022年12月29日

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特に初心者の方でラダー図をあまり作成した事がない場合にはどのように作成していいか分からず、制御部と出力部を分けずに作成している方も多いかと思います。

私も最初は制御部にそのまま出力リレーを使っていて後で追加や修正する際には訳がわからない状態になってしまい後悔したのを覚えています。

今回はなぜ『制御部』と『出力部』を分けた方がいいのか。その理由について詳しく説明していきたいと思います。

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ラダー図の制御部と出力部とは

まず簡単に説明するとラダー図とはPLC(シーケンサ)で使われる言語のことで昔の場合にはこのPLCがなかったのでほとんどの機械ではリレーに配線をしていき制御を組んでいました。

この配線をしていた制御部分をPLCのラダー図(プログラム)に置き換え、制御していくことができるわけです。

その際にわかりやすく『制御部』『出力部』に分けて作成していきます。

制御部・・・外部へ直接出力することのできない出力番号『M』の内部リレーやタイマ『T』などを使い制御する部分

出力部・・・制御結果を外部へ出力できる出力番号『Y』の出力リレーを使いソレノイドや表示器などに出力する部分となります。

実際、簡単な制御だと出力リレーの接点を使い制御回路を作っても同じように動作しますが、複雑な制御回路になると無理があるかと思います。

基本、制御部と出力部は分けて作成するようにしましょう。

では実際出力リレーで制御する回路と内部リレーを使い分けた回路の違いについて簡単な例を使って説明していきますね。

関連記事:『シーケンス図(制御回路)の読み方と動作について初心者向けに基礎から解説!』

制御部と出力部を分けた時と分けなかった時の違い

・出力リレーで制御回路を作った(分けなかった)場合

・内部リレーで制御回路を作った(分けた)場合

出力リレーで制御回路を作った(分けなかった)場合

例えばモーメンタリ動作(ボタンを押している間だけON状態)のスタートスイッチで製品を載せてコンベアを運転した時にセンサーまで到達すると停止し、材料をとると再度運転開始にしたい場合、出力リレーだけで制御回路を作るとどうでしょうか。

出力リレーで制御回路を作ると下記のような制御回路になってしまい、センサーで停止すると自己保持回路がきれるので毎回再度スタートスイッチを押して運転開始をしなければいけません。

それが毎回だとかなり時間のロスになるのがわかるかと思います。

その他、センサーに到達後に払い出し、製品により振り分け、加工など機械の自動制御にはたくさんの条件があるので出力部だけで対応は難しく、また変更する際にも容易ではありません。

関連記事:『スイッチの動作方式モーメンタリとオルタネイトの使い分け』

内部リレーで制御回路を作った(分けた)場合

同じ内容を内部リレーで制御回路を作った(分けた)場合

上記のように制御部と出力部を分けると、製品がセンサーまで移動し停止⇒その製品を取るとセンサーがOFF⇒再度コンベアが運転開始になります。

複雑な条件があった場合にも制御部に条件を入れていき、最後その条件が揃えば内部リレーの接点で出力リレーをON/OFFさせればいいわけです。

関連記事:『【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!』

まとめ

このように内部リレーで条件が揃った場合に最後出力リレーをONさせモータや電磁弁、表示灯へ出力させるようにします。

他の人が回路を変更する際にも見やすく、またトラブルが発生した場合などでも対応しやすいので制御部と出力部は必ず分けておきましょう。

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