モータで使用するインバータとは何?インバータに関しての基礎をわかりやすく紹介!
工場に勤めている方や家電製品を購入する際にもインバータと言われるものを聞いたり、見たりする方多いのではないでしょうか?
工場の機械や家電製品などではこのインバータがよく使用されています。
今回はこのインバーターとは何なのか?インバータに関しての基礎をわかりやすく紹介していきたいと思います。
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インバータとは
工場や家庭の交流電源は電圧と周波数が200V/60Hz、50Hzなど各国で規定されています。
この規定された電圧と周波数でモータを回転させると『一定の回転速度』しか得られません。
ですが、インバータを接続することにより電圧と周波数を可変できるようになるのでモータ速度を自由に変えることができます。
私たちの身近で言うと、エアコン、洗濯機などの家電製品でインバータはよく使用されていて、常に全開ではなく必要な分だけ出力すれば、電力消費を抑えられ、省エネ効果、またモータなどの寿命も長くなるという効果が得られます。
下記は工場でインバータを使用した時の簡単な流れとなります。
上記のようにインバータは交流電源の電圧と周波数を自由に可変できるようにして回転速度を変更しています。
ではインバータの構成についてもう少し詳しく説明していきますね。
関連記事:『周波数の60Hzと50Hzの違いとは?またモータの電流値や回転速度、トルクはどうなるの?』
インバータの構成について
下記がインバータの構成となります。
交流電源からモータを可変速運転をするためには上記のように一旦交流電源を直流に変えるとともに、この直流に含まれる脈動分を滑らかにする『コンバータ部』と直流を可変周波数の交流に変える『インバータ部』からなる主回路、これらを制御する『制御回路』で構成されています。
・コンバータ⇒交流を直流に変換する順変換装置のこと
・インバータ⇒直流を交流に変換する逆変換装置のこと
※ただし汎用インバータ装置ではコンバータ部も含めた装置全体を称してインバータと言う。
インバータの中で交流⇒直流⇒再度交流に変換することで、周波数と電圧の大きさを自由に可変しているのです。
ですので実際にインバータの周波数を下げた時に2次側の電圧を測定してみるとわかりやすかと思います。
関連記事:『テスターの使い方実際現場で使用している分かりやすく解説』
インバータを使用するメリットとは
インバータを使用すると下記のようなメリットがあります。
【標準モータを自由に変速できる】
前述で説明していますが、すでに機械に設置されている標準モータに適用可能となり、その使用用途に合わせて速度変更することができます。
【標準モータの回転速度が電源周波数に左右されず、同じ回転速度を得ることができる】
地域により周波数が50/60Hzとありますが、インバータは交流を一旦直流に変換して再度交流を作り出すため、この50Hzや60Hzに関係なく最大の能力を供給できるので同じ回転速度を得ることができます。
【省エネ(省電力)が図れる】
これは省エネしたい場合にモータを最大速度ではなく、少し下げた速度でも十分その機能を果たす時にはインバータを設置して回転速度を少し落として使用することで省エネ(省電力)の効果が得られます。
【標準モータの始動電流を低減でき、ショックの少ない始動・停止ができる】
モータを始動する場合には大きな始動電流となってしまいますが、この始動電流を抑えるために、いきなり最大速度で運転するのではなく、徐々に速度を上げて始動電流を抑えた運転とすることができます。
また停止する時でも減速時間などで停止時間を調整することもできます。
インバータは上記のように使用することでかなりのメリットが得られることが分かると思います。
また大きなモータでスターデルタ運転しているような場合でもインバータを使用することで立ち上がり速度をゆっくりとし、始動電流を抑えることができますよ。
まとめ
工場などでは全開で運転しなくても十分機能を果たす箇所は探せばたくさんあると思います。
そのような時にはインバータを入れることで、使用電力量も抑えられ、省エネ(省電力)となり、寿命も長持ちするというたくさんのメリットが得られます。
今回学んだことを少しでも意識するようにすると新しい改善点などたくさん発見することができると思うのでぜひ役立ててくださいね。
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