蒸気バルブのハンドル操作で注意するべきこととは?

2023年3月26日

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工場や商業施設などの熱源や動力として蒸気が利用されるが、この蒸気を送る際に、そのままバルブ(弁)を全開にしてはいけません。

蒸気バルブをいきなり全開にしてしまうと『ウォーターハンマー』というものが発生してしまい配管の破損等の原因となってしまいます。

また蒸気バルブのハンドルを力いっぱい全開にした状態のままにしてもいけません。

今回は蒸気バルブのハンドル操作について詳しく説明していきたいと思います。

⇒機械保全について私が参考にしたものを『【実践向け】機械の保守・保全作業が学べるおすすめの本』で紹介しているのでぜひこちらもご覧ください。

蒸気でのウォーターハンマーとは

【ウォーターハンマー(スチームハンマー)】

蒸気により押されたドレンが高速度で進行しバルブや配管継手にぶつかり大きな音や振動が生じること

蒸気により発生するウォーターハンマーはスチームハンマーとも呼ばれ、配管継手部分の緩みや亀裂、また破損などの発生原因となってしまいます。

このウォーターハンマーを発生させない為にはドレンが溜まらない配管設計、ドレン除去、他にも始動時にバルブをゆっくりあける等の対策が必要となってきます。

蒸気バルブを開けるとカンカンと音がしたり衝撃により配管が揺れたりする場合があると思いますが、このような衝撃を抑える為にも蒸気バルブの開け方に注意しなければいけません。

関連記事:『【蒸気配管】フランジのガスケット交換と締付け方法!』

蒸気バルブの開け方

蒸気を配管へ送る際に蒸気バルブを急開してしまうと、冷えている始動時では特にウォーターハンマーが発生しやすくなってしまいます。

【始動時の蒸気バルブ開け方】

①始動時ではまず蒸気バルブを少しだけ開けた状態(微開)にする。

②下流側圧力が上流側圧力の最低半分ぐらいの圧力になるまで待つ。

③下流側の圧力が上がったら配管等の振動や音などを確認しながらすこしづつ開けていく。

下流側の圧力が上がっているからと急に全開にするのではなく、よく確認しながら少しづつ開けるようにしましょう。

関連記事:『分解や整備に合いマークが必要?使用例について』

蒸気バルブを全開にした後は少しハンドルを戻しておく

新人の方でよくあるのですが、バルブを全開にしてそのままの人がいます。

必ずバルブを全開に開ききった後はハンドルを少し戻しておくようにしましょう。

【少し戻しておいた方がいい理由】

・固着して戻らない場合があるため

・全開にしてバルブが固くなっている時に閉だと勘違いをするため

上記のようなことにならない為にも全開にした後はハンドルを少し戻しておくことで固着の防止、また開閉方向どちらにも動くので開となっていることがわかりやすいかと思います。

バルブのハンドル操作は全開後に少し戻す癖をつけておくといいですよ。

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まとめ

✔ウォーターハンマー(スチームハンマー)

・蒸気により押されたドレンが高速度で進行しバルブや配管継手にぶつかり大きな音や振動が生じること

・蒸気を配管へ送る際に蒸気バルブを急開してしまうと、冷えている始動時では特にウォーターハンマーが発生しやすくなる

✔始動時の蒸気バルブ開け方

①始動時ではまず蒸気バルブを少しだけ開けた状態(微開)にする

②下流側圧力が上流側圧力の最低半分ぐらいの圧力になるまで待つ

③下流側の圧力が上がったら配管等の振動や音などを確認しながらすこしづつ開けていく

✔蒸気バルブを全開にした後ハンドルを少し戻しておいた方がいい理由

・固着して戻らない場合があるため

・全開にしてバルブが固くなっている時に閉だと勘違いをするため

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Posted by ネバヤン