電力、電力量、熱量とは?違いについてもしっかり覚えよう!
電力、電力量、熱量についてよく頭が混乱する方多いのではないでしょうか?
単位でもkWとkWhではまた意味も変わってきます。
第2種電気工事の筆記試験の勉強している時に最初の方で習うと思いますが、いまいち理解できない方もいるかと思います。
今回は電力、電力量、熱量について詳しく説明していきたいと思います。
電力とは
【電力】
回路に供給または消費される単位時間あたりの電気エネルギー量のこと
分かりにくいと思うので下記の図で説明していきたいと思います。
電流が抵抗中を流れると熱が発生するのは電気エネルギーが熱エネルギーに変わるからです。
つまり抵抗R[Ω]に電流I[A]を流すと電気エネルギーを抵抗に供給したことになります。
このように、回路に供給または消費される単位時間あたりの電気エネルギー量を『電力』といい、単位にはワット[W]が用いられる。
電力の公式は『P=VI』となりさらにオームの法則『V=RI』より下記のような公式で表すことができます。
電力は『どのくらいの電気を消費するか』(使った電気の量ではない)のことで消費電力とも言います。
電球で言うとよく製品に表記してある50Wなどが消費電力の事です。
この50Wの電球より100Wの電球が消費する電力は大きくなり、部屋が明るくなるというわけですね。
関連記事:『電気を理解するには最も基本的な電圧、電流、抵抗の理解が必要不可欠。分かりやすく解説!』
電力量とは
【電力量】
電力の総量のこと(電力を使用した時間を積算した量のこと)
電力量とはその電化製品で電力を使用した時間の積算のことで『電力と時間の積』で表します。
つまりP[W]の電力をt[s]使用したときの電力量Wは『W=Pt=VIt[W・s]』
単位にはワット秒[W・s]が用いられるが、一般には1[kW]の電力を1時間使用した時の電力量1キロワット時[kW・h]が用いられます。
例えば100Wの電球を1時間使用した場合
⇒100(W)×1(h)=100Wh(0.1kWh)
100Wの電球を5時間使用した場合
⇒100(W)×5(h)=500Wh(0.5kWh)
100Wの電球を30分間使用した場合
⇒100(W)×30分÷60分=50Wh(0.05kWh)
電力量はこのように『電力を使用した量』のことで、電力は『どのくらいの電気を消費するか』なので間違わないようにしてくださいね。
ちなみに単位は1kW=1000Wです。
電力量と熱量(ジュール熱の量)の関係
【ジュール熱】
抵抗がある導体に電流を流した時に発生する熱エネルギーのことで単位は[J](ジュール)
【熱量】
発生した熱の量のこと(すなわちジュール熱の量のこと)
この単位あたりのジュール熱は電力と同じです。
ジュール熱は・・・電流による発熱
電力は・・・単位時間あたりの消費エネルギー
熱量H[J]は抵抗に電流がt秒間流れた時に発生する『熱の量』のことで式は『H=RI²t[J]』で表せられる。
この熱量[J]と電力量[Ws]との関係は下記のようになります。
⇒H=RI²t=Pt
※1[kW・h]の電力量は、1[kW・h]=1000[W]×3600[s]=3600×10³[J]=3600[kJ]
電力量と熱量の違いについては電力量は『消費した電力の量』と熱量は『発生した熱の量』と覚えおいてください。
大きさは1[J]=1[W・s]となるので等しいということですね。
まとめ
今回の内容まとめ
・電力・・・回路に供給または消費される単位時間あたりの電気エネルギー量のこと 単位はワット[W]
・電力量・・・電力の総量のこと(電力を使用した時間を積算した量のこと) 単位はワット秒[W・s]
・熱量・・・発生した熱の量のこと(すなわちジュール熱の量のこと) 単位はジュール[J]
以上。頭が混乱すると思いますが、しっかり覚えてくださいね。
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