【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!
シーケンス制御回路においてこの『自己保持回路』は最も重要なものです。
自己保持回路を組み合わせることで複雑な回路も作っていけるので、まずシーケンス制御回路で覚えておかないといけないのがこの自己保持回路となります。
今回はシーケンス制御回路の基本、『自己保持回路』について初めてでも分かりやすく解説していきたいと思います。
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自己保持回路とは
【自己保持回路】
自己保持をするリレーコイルが一旦ONすると、その状態を保持して、ONしたままになる回路のこと
これだけでは分かりにくいと思うので『自己保持しない回路』と『自己保持回路』を比べてみると理解しやすいかと思うので順番に紹介していきますね。
自己保持をしない回路
下記が自己保持をしない回路で押しボタンを押した時と離した時の状態です。
【動作説明】
押しボタンBSを押すと、RのコイルがONになるが押しボタンを離すとRのコイルがOFFとなる。
自己保持をする回路
下記が自己保持をする回路で押しボタンを押した時と離した時の状態です。
【動作説明】
①押しボタンBSを押すと、RのコイルがONとなり、Rのa接点がON
②押しボタンBSを離してもRのa接点がONとなっているのでRのコイルはONしたままの状態となる。
自己保持回路は自分の接点で自分のコイルをONさせて保持する回路の事で、1度自己保持になるとその回路をOFFにしない限り、ずっとONしっぱなしとなってしまいます。
このように自己保持回路は解除する接点が必ず必要となることを覚えておいてください。
ではどのように解除するか見ていきましょう。
関連記事:『シーケンス制御の基本初心者向けに電気エンジニアが解説』
自己保持回路は解除する接点が必要??
自己保持回路はそのままだとONしたままの状態となってしまいます。
例えば下記のようにb接点で自己保持回路を解除します。
【動作説明】
自己保持したままの状態で押しボタンBS2を押すと、自己保持回路が解除されるので、RのコイルはOFF状態となる
この自己保持回路を解除する接点は必ず必要となるので、『自己保持回路+解除する接点』をセットとして考えてください。
ではこれから自己保持回路を組み合わせて動作順序を作っていく回路例を紹介しますね。
関連記事:『シーケンス制御の基本回路はAND回路とOR回路とNOT回路の3つ!?詳しく解説!』
自己保持回路の組み合わせの回路例
出力コイルを決まった順序でONしていくような場合には自己保持回路を組み合わせて作っていきます。
自己保持の組み合わせ回路例は下記のようになります。
【動作説明】
①押しボタンBS1をONにすると、R1のコイルがONとなりR1-a1の接点がON、自己保持回路となり、また同時にR1-a2の接点もON
②押しボタンBS2をONにするとR1-a2はON状態となっているのでR2のコイルがONでR2-a1の接点がON、自己保持回路となり、また同時にR2-a2の接点もON
③押しボタンBS3をONにするとR2-a2はON状態となっているのでR3のコイルがONでR3-a1の接点がON、自己保持回路となる
④押しボタンBS4のb接点をONにすると、すべての自己保持回路が解除となる
このように押しボタンBS1⇒BS2⇒BS3の順番に押していく事でコイルR1⇒R2⇒R3の順序で動作させていくことができます。
ですのでBS2やBS3を最初に押しても動作できないようになっているのが分かるかと思います。
自己保持回路は上記のように組み合わせる事で複雑な回路も組めるようになるのでしっかり覚えるようにしてくださいね。
まとめ
今回の内容についてもう1度まとめておきますね。
【内容のまとめ】
・自己保持回路とは・・・自己保持をするリレーコイルが一旦ONすると、その状態を保持して、ONしたままになる回路のこと
・自己保持回路はそのままではONしっぱなしになってしまうため自己保持を解除する接点が必要になる
・自己保持回路を組み合わせるためには『1つ前の自己保持リレーの接点を次の自己保持の成立条件』とする
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