タップとは?ハンドタップの種類と立てる(切る)方法について

2023年3月26日

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日々メンテナンスをしているとタップを使用することが多いのですが、私も最初の頃は見よう見まねで使い、よくタップが折れ込んだりしていました。

タップは折損するととれないので作業時間もかなりロスしてしまいます。

他にも適当にタップを使用することでサイズを間違えてボルトが入らない、入っても斜めになり、ねじ山が潰れてしまったなど不具合が起こってしまいます。

そうならないようにしっかり基本は覚えておきましょう。

今回はタップとは?また、その中でもハンドタップの種類と立てる(切る)方法について説明していきたいと思います。

⇒機械保全について私が参考にしたものを『【実践向け】機械の保守・保全作業が学べるおすすめの本』で紹介しているのでぜひこちらもご覧ください。

タップとは

タップとは穴の内側にねじを刻むために用いられる工具のことで、下記のようなめねじ加工をする時に使用します。

【タップの種類】

・ハンドタップ

ストレート溝になっていて手作業で行う場合は食い付き部の山数が異なる1番タップ(先タップ)、2番タップ(中タップ)、3番タップ(上げタップ)の順序で使用する。

特徴は止まり穴、通り穴両方加工ができ、また刃先強度が高いので高硬度材の加工に適している。

・スパイラルタップ

ねじれ溝になっていて切りくずを上に排出しながら切っていくので止まり穴、通り穴両方加工できるが、特に『止まり穴加工』向きとなっている。

また、特徴として下穴に食いつきやすいので大きなねじ穴ができる場合があるので、手動で加工を行う際には斜めにならないように注意が必要です。

・ポイントタップ

切りくずを進行方向に排出しながら切っていくので切りくずがたまる心配はないが進行方向に排出するので止まり穴には使用できない。

・管用タップ

配管用のねじ穴を加工する際に使用するタップで平行ねじ用とテーパーねじ用の2種類となっている。

・盛上げタップ

切りくずを出さずに下穴を盛り上げて加工するタップで塑性変形できる主に柔らかい素材に使用される。

私の工場でよく使用しているのは『ハンドタップ』と『スパイラルタップ』がよく使われています。
使い分けとしては機械を使わずに手動で加工をする場合にはハンドタップ、機械を使って加工する場合にはスパイラルタップとなるように使い分けるといいですよ。

関連記事:『分解や整備に合いマークが必要?使用例について』

ハンドタップの種類

ハンドタップは前述で紹介したように手作業で行う場合によく使用され種類としては3種類を使用することで傾きを防ぎ、ねじ穴の中心にしっかり加工することができます。

順序としては1番タップ(先タップ)⇒2番タップ(中タップ)⇒3番タップ(上げタップ)に加工していきます。

1番タップ(先タップ)

先端が9山分勾配になっているので垂直に加工ができ、ねじ穴に1番最初に使用するタップとなります。

先端が9山分勾配になっているのでその分深く加工できません。

2番タップ(中タップ)

2番タップ(中タップ)は先端が5山分勾配になっていて、1番タップの次に使用します。

1番タップでは加工深さが足らない場合に使用します。

3番タップ(上げタップ)

3番タップ(上げタップ)は仕上げタップともいい、先端が1.5山分勾配になっているので2番タップの次に使用し、最終的な仕上げ用となります。

2番タップでは加工深さが足らない場合に使用します。

また、基本この順番で加工していくが、おねじ加工されている穴にボルトなどが入りにくくさらえるだけであれば3番タップでも大丈夫です。

ハンドタップで立てる(切る)方法

ハンドタップを立てる方法はまずポンチを打つ下穴を開けるタップを立てる、この順番で行います。

【ポンチを打つ】

ポンチを打つ場合には斜めになってしまうと下穴を開ける際にずれてしまうので、垂直に真上から打つようにしましょう。

【下穴を開ける】

下穴はボルトの大きさによりサイズが異なります。

私の場合、よく使うのはメートルねじの並目なのでサイズを忘れた時などは150mm直尺の裏に下穴表が付いているのでよく確認したりします。

他にもよく使うので1本持っておくと便利ですよ。

【タップを立てる】

タップを立てる場合にはタップハンドルなどに装着して潤滑油を塗布して斜めにならないように真っすぐ回していき加工していきます。

タップハンドルはラチェット式が便利でおすすめです。

この時注意しなければならないのが、回していくと硬く回らない時があり、そのような時にが逆回転で少し戻してやり、再度加工していきます。

硬く回らない時に無理やり回さないようにしてください。

よくやってしまうのがタップの折損です。特にサイズが小さいタップは折れやすいです。
タップは折れてしまうと抜けません。抜ける時もあるかもしれませんが、私は諦めますね。
再度最初からの加工となるので注意しましょう。

関連記事:『ボルトが折れ込んだ時の修理(除去)方法とは?』

まとめ

✔タップ

穴の内側にねじを刻むために用いられる工具

✔タップの種類

・ハンドタップ

・スパイラルタップ

・ポイントタップ

・管用タップ

・盛上げタップ

✔ハンドタップの種類と順序

1番タップ(先タップ)⇒2番タップ(中タップ)⇒3番タップ(上げタップ)

✔ハンドタップを立てる方法

ポンチを打つ⇒下穴を開ける⇒タップを立てる

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Posted by ネバヤン