スイッチの動作方式モーメンタリとオルタネイトの使い分け
スイッチの動作で『モーメンタリ』と『オルタネイト』と言う言葉を聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。
実際にPLCでラダー図を作成する場合にはそれぞれ回路の組み方も違ってくるのでしっかり意味を理解し、使い分けをしなければいけません。
他にもスイッチを購入する場合に間違わないように今回はモーメンタリとオルタネイトとはどのようなものなのか?また使い分けについて解説していきたいと思います。
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モーメンタリスイッチとは
【モーメンタリスイッチ】
ボタンを押すとONとなり、離すとOFFになるスイッチのこと
モーメンタリ動作の押しボタンスイッチは下記のような動作となります。
上記のようにモーメンタリは押している間だけON状態となり離すとOFFとなる動作方式のことで『自動復帰型』とも呼ばれます。
このようにモーメンタリは押しボタンから離すとOFFとなるのでラダー図で回路設計する場合にはON状態を保持させる自己保持回路なども必要となってくるので使用時には注意するようにしましょう。
私の場合は手動などで押している間だけ何かを動作させたい時に使用したり、また自動制御でもこのモーメンタリの方が回路を組みやすいのでよく使用していますよ。
関連記事:『【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!』
オルタネイトスイッチとは
【オルタネイトスイッチ】
ボタンを押すとONとなり、離してもON状態を保持し、再度ボタンを押すとOFFとなるスイッチのこと
オルタネイト動作の押しボタンスイッチは下記のような動作となります。
オルタネイトはボタンを押すとONとなり、その状態を保持し再度ボタンを押すことでOFFとなる動作方式のことで『位置保持型』とも呼ばれます。
モード選択など1度押すとONしたままの状態にしたい時は便利ですよ。
関連記事:『シーケンス制御で使用するa接点、b接点、c接点とは?違いや記号についても詳しく説明!』
モーメンタリとオルタネイトの使い分け
例えば押しボタンを押して離した状態でコンベアを動かしたい時に『モーメンタリ動作の押しボタンスイッチ』と『オルタネイト動作の押しボタンスイッチ』を使うとラダー図ではそれぞれ下記のような回路となります。
モーメンタリ動作の押しボタンスイッチは押して離すとON状態を保持できないため上記のようにON状態を保持させる自己保持回路を作らなければいけません。
自己保持回路で保持している間はモータが運転となり、停止させる場合は停止ボタンが別に必要になってきます。
逆にオルタネイト動作の押しボタンスイッチは押して離してもON状態を保持するので自己保持回路等は必要ありません。
オルタネイトの場合上記のような簡単な回路でモータが運転となり、停止させたい時は再度押しボタンを押せば停止となります。
しかし、たくさんのオルタネイト動作の押しボタンスイッチを使用してしまうと再度押さない限りON状態を保持しているので複雑な制御回路では誤作動の原因となってしまう場合もあるので注意するようにしましょう。
モーメンタリ動作の押しボタン1つでON/OFFしたい場合は下記の記事に詳しく書いているので参考にしてみてくださいね。
関連記事:『1つのボタンでON/OFF回路 PLC ラダー図で作成』
まとめ
✔モーメンタリ
・ボタンを押している間だけON状態となり離すとOFFとなる動作方式のことで『自動復帰型』とも呼ばれる。
・押しボタンスイッチは押して離すとON状態を保持できないためラダー図で作成する場合はON状態を保持させる自己保持回路が必要となる。
✔オルタネイト
ボタンを押すとONとなり、その状態を保持し再度ボタンを押すことでOFFとなる動作方式のことで『位置保持型』とも呼ばれる。
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