リレー回路でトラブル多発!?そんな困った時の解決策
まず初心者の方はリレーを使った回路などわからない方は多いのではないでしょうか。
私も電気工事の仕事はしていたのですが、初めてリレー回路を学んだ時は同じ電気の仕事でも違っていたのでさっぱりわかりませんでした…ですがやっていく内にだんだんと覚えられるので大丈夫ですよ。
今現在リレー回路だけで組んでいる機械は減ってきていますが、古い機械などはリレー回路だけで組んでいます。
リレー回路でトラブルが起こると理解していない場合、なかなか原因を特定するまでに時間がかかってしまいます。
今回はそんなトラブル時の解決方法などを説明していきたいと思います。
⇒PLCやシーケンス制御、電気保全について私が実際使用して学んだものを『電気エンジニアが教える!技術を学べるおすすめ参考書』で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。
リレー回路とは
リレー回路とはリレーを使用して回路を組んでいき機械を動かします…って簡単にいったらこんな感じなのですが初心者の方にはなかなか理解できないかと思います。
リレーについては下記の記事に詳しく載せているので参考にしてみてください。
まず回路なのですがシーケンス図というものがありこれは順番通りに機械を動かす為リレー回路を組んでいく元となる電気図面です。
下記のような図がシーケンス制御回路図(AC200V)です。
この『R』の部分がリレーのコイルと『R-a1』、『R-a2』が接点となります。
このリレーのコイルに電流が流れると接点がONするわけだね。
そうそう!上の回路は基本的な回路だから覚えておいてね~。
まず自己保持回路といって一度ボタンを押すとリレーコイルに電流が流れます。
すると電磁石の力で可動鉄片が引き寄せられ接点がON、今度はその接点によりコイルに電流が流れるわけですね。
そうする事で下記のようにON状態が保持されます。
次にリレーのもう1個の接点を使い、これがONする事でランプが点灯となります。
ですのでボタンを一度押すとランプが点灯状態を保持する回路となるわけですね。
このリレーをたくさん組み合わせる事でたくさんの動作が可能となります。
参考記事:『【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!』
トラブル時の確認方法
たくさんの動作をする機械があればそれだけリレーも使用している事になります。
新しい機械であれば『シーケンサー』という物を使用しているのでリレーだけで組んでいる機械に比べれば省配線となっていてトラブル時でも特定しやすくなっています。
シーケンサーは簡単にいえばパソコン上でリレー回路を組んでいけるので楽ですよ。
ですがまだまだリレーだけで組んでいる機械もたくさんあります。
そんなリレー回路がトラブルを起こした場合の確認方法は以下3点となります。
参考記事:『工場の機械制御によく使われている『PLC(シーケンサー)』とは何?PLCが学べる参考書も紹介!』
①サーマルや他の異常などがないか目視で確認する。
【サーマル】
過負荷などの時に回路を遮断する機能の事です。
まずサーマルが過負荷や何か異常が出ていないかなど目視で確認できる所を最初に確認した方がいいです。
原因をいろいろ追及していって結局サーマルが落ちていただけなんて事もたくさんあるのでまずは目視で確認していってください。
参考記事:『電磁開閉器サーマルリレートリップ信号の取り込み方をPLCのラダー図とシーケンス図を使って紹介!』
②電気図面で動いていない回路を確認する。
電気図面でよく確認をしてここまでは動く!ここからは動かない!
など動かない所だけを見つけてそこを集中的に見てください。
なのでまずは機械の動きをよく確認した方がいいですよ。
③電圧がどこまできているか確認する。
下記のようにテスター片側をT側に当てて、もう片方を上流側(上側)に当てていきます。そしてどこまで電圧がきているかを確認します。
リレー回路でのトラブル事例
【トラブル事例】
上記の回路でスタートPBを押してもランプが点灯しなかった。
【対応方法】
この時には前述した、電圧がどこまできているかの確認をします。
まずスタートPBを押した状態でコイルまで電圧があるかの確認。
この時に電圧がなかったのでスタートPBより前のストップPBの確認。
結果、ストップPBの接点不良が原因でコイルまで電圧がきていませんでした。
このようにリレー回路でトラブルがあった場合には大変ですが、順番に電圧を測って確認するしかありません。
リレーがすぐダメになる場合の対処法
リレーすぐ交換しないといけないんだけど、なんか原因あるの?
適切なリレー使用してる?容量オーバーになってたら交換頻度高くなっちゃうからね。
リレー回路トラブル時ですぐにリレー接点が焼き付き交換頻度が高い場合…
①リレーの接点容量を大きなものに変更してみる。
リレー接点容量は流れる電流値が決まっているので規定値以上で使用している場合は早くダメになってしまいます。
まず流れる電流値を確認して、リレーの接点容量超えている場合には容量が大きいリレーを使用してみてください。
②サージ対策をする。
【サージとは…電気回路に瞬間的に発生する大波電流のこと。】
リレーのコイルサージの影響を受け接点が焼き付いている場合があります。
その場合サージ対策用のリレーを使用するか外付けにサージ対策をするかの2点になります。
サージ対策用リレーはそのまま取り付けるだけなので楽ですがその分金額が高いのがデメリットとなりますね。
外付けはAC電源であれば『C-R方式』DC電源であれば『ダイオード方式』で負荷と並列に繋げば大丈夫です。
なんか難しんですけど…
まー要するに電流を逃がしてやると思っておけばいいよ~
まとめ
古い機械などはすべてリレー回路で組んでいる機械が多いです。
その分トラブル対応は大変ですが、まずは機械の動きをよく確認してどの動作が出来ていないかを判断する事がとても重要です。
それからその部分を電気図面でよく確認してください。
焦らずこの順番でしっかり対応出来ればトラブル処理も簡単に出来ますからぜひ参考にして頑張ってくださいね。
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