【蒸気配管】フランジのガスケット交換と締付け方法!
生産工場内で蒸気配管用のフランジはたくさん見かけると思いますが、メンテナンスで中を確認、清掃、またガスケットを交換する際には取り外さなければいけません。
取り外した場合には再度組み付けますが、この時にフランジ間のガスケットはそのまま再度使用できないので交換作業が必要となってきます。
この時に何も知識がない状態でガスケットの交換、締付けを行ってしまうと不具合の原因となってしまいます。
今回はそんな不具合を起こさないようにフランジのガスケット交換方法と締付け方について解説していきたいと思います。
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フランジとは
フランジの用途としては配管途中を取り外しができるようにすることでメンテナンスや組み立てを容易にできるようにボルトで接続されています。
また他に、配管の劣化などにより途中穴があいてしまった場合にフランジで接続しておくことでその間部分の配管を取り外し、修理や交換などを簡単に行うことができます。
注意点としてはフランジの間には蒸気が漏れないように『ガスケット(パッキン)』が入っているのですが、よくこのガスケットの劣化やボルトの緩みにより漏れが発生する場合があります。
蒸気が漏れてしまうと温度が髙く、すぐに対応ができない場合もあるので漏れが発生する前に定期的にボルトの増し締め、ガスケットを点検・交換するようにしましょう。
ではガスケットをどのように交換していくか説明していきますね。
フランジのガスケット交換方法
①蒸気バルブを閉(停止)にする
蒸気バルブ閉(停止)後すぐに冷えないのでフランジ部分が冷めたのを確認してから作業を行う。
②フランジを止めてあるボルトを緩める
この時サビで取り外せない場合はクレ556などをスプレーして浸透させておくと緩みやすくなる。
緩めると配管の中にあるドレンが出てくるのでバケツなどで受けておく。
③フランジ用ガスケットを取り外す
取り外し後はフランジ面の異物を除去、また傷などがある場合は細かいやすりなどで凹凸がないようにする。
④ガスケットペーストを塗布する
※ガスケットペースト・・・接合部のガスケット用シール補助剤のことでシール性や焼付防止に効果
⑤ガスケットを入れてボルトで締付ける
※締付け方は後述で説明
フランジの締付け後に再度漏れが発生してしまうことがありますが、大体は『フランジ面の凹凸』がきれいに除去しきれていない、『片締め』、『ボルトの締付け不足』が原因の場合が多いので確認してみてくださいね。
フランジの締付け方法
下記がフランジを締付ける順番となります。
このように全体を均等に締付けていきます。
適当にそのまま締付けてしまうと片締めとなってしまうので注意が必要です。
また、上記の順番に締付ければいいというわけでもなく、ポイントとしてはいきなり強く締付けるのではなく最初は少しの力で順番に少しづつ締めていき、徐々に強く締付けていってください。
いきなり強く締めると中のガスケットが割れてしまい、再度交換しないといけなくなります。
蒸気の場合は温度により収縮と膨張を繰り返すので蒸気を流して圧力が上がった後、再度増し締めを行うようにしましょう。
まとめ
✔フランジについて
・部材同士をつなぐ際の出っ張った部分(ツバ)のこと
・ 配管途中を取り外しができるようにすることでメンテナンスや組み立てを容易にできるようにボルトで接続している
・ 定期的にボルトの増し締め、ガスケットを点検・交換が必要
✔フランジのガスケット交換方法
①蒸気を閉(停止)にする。
②フランジを止めてあるボルトを緩める。
③フランジ用ガスケットを取り外す。
④ガスケットペーストを塗布する。
⑤ガスケットを入れてボルトで締付ける。
※ 全体を順番に締め付けていき、片締めとならないように注意
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