【電験3種】有効電力、無効電力、皮相電力とは?また力率についてもわかりやすく解説

2023年7月23日

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電験3種の勉強をしていたら『有効電力』『無効電力』『皮相電力』と言う言葉をよく聞くかと思います。

また、この3つの電力とよく一緒に出てくる力率とは何なのか?最初はよく分からない方も多いですよね。

これらは交流回路で必要不可欠となり、理解しておかなければいけません。

今回はこの有効電力、無効電力、皮相電力、また力率について初心者でもわかるように解説していきたいと思います。

これから電験3種取得を考えている方におすすめ

有効電力、無効電力、皮相電力、力率の関係

【力率とは】

電源から送り出される電力(皮相電力)に対する実際に消費される電力(有効電力)の割合のこと

【有効電力】

負荷(抵抗)で消費される電力のこと

【無効電力】

負荷で消費されない電力のこと

【皮相電力】

交流電源から送り出される電力のこと

これら全体の関係を表すと下記のようになります。

全体の関係を表すと上記のようになります。
ですがこれだけだとよくわからないと思うので順番に説明していきますね。

関連記事:『電験3種の理論合格で最も重要な『インピーダンス』について詳しく解説!』

力率とは

【力率とは】

電源から送り出される電力(皮相電力)に対する実際に消費される電力(有効電力)の割合のこと

力率(cosθ)とは電源から送り出される電力(皮相電力)のうち、消費される電力(有効電力)の割合のことで、この力率が『1』に近づくほど電線路に流れる電流は少なくて済むので電力を有効に使うことができます。

ちなみに負荷が抵抗だけの場合は位相差が発生しないので力率=1となります。
この力率が発生する場合はコイルやコンデンサの負荷を接続した状態となるわけですね。(詳しくは後述で説明)

関連記事:『電力、電力量、熱量とは?違いについてもしっかり覚えよう!』

有効電力とは

【有効電力】

負荷(抵抗)で消費される電力のこと

有効電力とは電源から送り出される皮相電力のうち『負荷(抵抗)に消費される電力』のことで力率cosθをかけると求められます。

この力率cosθが『1』の時以外、例えば0.8という場合などは、抵抗の他に『コイル』や『コンデンサ』が接続されている状態ということです。(詳しくは無効電力で説明)

このように有効電力は抵抗で消費される電力のことなので、コイルやコンデンサ分を含んだ皮相電力に力率cosθをかけると有効電力になります。

関連記事:『電気を理解するには最も基本的な電圧、電流、抵抗の理解が必要不可欠。分かりやすく解説!』

無効電力とは

【無効電力】

負荷で消費されない電力のこと

無効電力は『コイル』や『コンデンサ』において発生する電力のことで、このコイルやコンデンサはエネルギーの蓄積と放出を繰り返しているためエネルギーの消費がありません。

ですので消費されずにそのまま交流電源に戻ってくる電力となります。

また無効電力には位相差が発生し、コイルの場合は『遅れ無効電力』コンデンサの場合は『進み無効電力』となります。

ちなみに無効電力はコイルとコンデンサにおいて発生する電力となり『遅れ』や『進み』が発生するので、上記の図のように有効電力と無効電力のベクトルはお互いに直角の関係となりますよ。
求め方としては皮相電力にsinθをかけることで求められます。

関連記事:『『交流(AC)電源』『直流(DC)電源』を初心者向けに丁寧に解説!』

皮相電力とは

【皮相電力】

交流電源から送り出される電力のこと

皮相電力は交流から送り出される電力で、『抵抗』『コイル』『コンデンサ』による合成電力となることが前述からも分かるかと思います。

つまり、皮相電力は有効電力と無効電力を合わせた電力となります。

ただ、この合わせた電力ですが、ベクトルの足し算となることに注意してください。

求め方は『三平方の定理』を使い、下記のようになります。

皮相電力はベクトル図を見れば分かるかと思いますが、無効電力が大きくなれば、その分電源から送り出す電力は大きくなってしまいます。
これだとあまりよろしくないので力率を改善する為に進相コンデンサなどを設置するわけですね。

まとめ

力率・・・電源から送り出される電力(皮相電力)のうち、消費される電力(有効電力)の割合のことで、この力率が『1』に近づくほど電線路に流れる電流は少なくて済むので電力を有効に使うことができる。

有効電力・・・電源から送り出される皮相電力のうち『負荷(抵抗)に消費される電力』のことで力率cosθをかけると求められる。

無効電力・・・『コイル』や『コンデンサ』において発生する電力のことで、このコイルやコンデンサはエネルギーの蓄積と放出を繰り返しているためエネルギーが消費されずにそのまま交流電源に戻ってくる電力となる。

コイル⇒『遅れ無効電力』

コンデンサ⇒『進み無効電力』

皮相電力・・・皮相電力は交流から送り出される電力で、『抵抗』『コイル』『コンデンサ』による合成電力、つまり、皮相電力は有効電力と無効電力を合わせた電力となる。

求め方(三平方の定理):皮相電力=有効電力+無効電力S=√P²+Q²

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Posted by ネバヤン