センサ出力のNPNとPNPの違いは?他にもシンク、ソースって何?またPLC接続方法についても詳しく解説!
まずセンサを選定する際にNPN出力タイプかPNP出力タイプかを選ばなければいけません。
この出力タイプにより接続方法も違ってくるのでNPNとPNPについて理解しておくことはとても重要です。
また、PLCに接続する際、『シンク』や『ソース』により、入力ユニットの接続方法も違ってきます。
ですので今回はNPNとPNPの違いやシンク、ソースなどわかりやすく解説していきたいと思います。
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NPNとは
【NPN】
エミッタがN型半導体、ベースがP型半導体、コレクタがN型半導体で構成されているトランジスタのことで『NPN型トランジスタ』
NPN型トランジスタの構成は下記のようになります。
上記の図からわかるように、ベース(B)からエミッタ(E)に電流を流すことで、コレクタ(C)からエミッタ(E)間へ電流が流れるようになっています。
逆にベース(B)からエミッタ(E)に電流が流れていない場合は、コレクタ(C)からエミッタ(E)間へ電流は流れません。
ちなみにベース(B)からエミッタ(E)に流れる電流のことを『ベース電流』と言い、コレクタ(C)からエミッタ(E)に流れる電流を『コレクタ電流』と言います。
このことからベース電流によりONとOFFを制御しているのがわかるかと思います。
NPN型はベース電流を流すことでコレクタ(C)からエミッタ(E)間に電流が流れますが、PNP型はこれが逆になります。
ではPNP型ではどうなるか説明していきますね。
関連記事:『【シーケンス制御の基本】有接点リレーと無接点リレーの違いとは?わかりやすく解説!』
PNPとは
【PNP】
エミッタがP型半導体、ベースがN型半導体、コレクタがP型半導体で構成されているトランジスタのことで『PNP型トランジスタ』
PNP型トランジスタの構成は下記のようになります。
PNP型は上記の図よりエミッタ(E)からベース(B)に電流が流れると、エミッタ(E)からコレクタ(C)間に電流が流れます。
このようにPNP型はエミッタ(E)からコレクタ(C)に向かって電流が流れますが、NPN型はコレクタ(C)からエミッタ(E)に電流が流れるようになっています。
違いについて理解できましたか?
センサはこの『NPN』と『PNP』を使ってON、OFF動作を行っています。
ではより理解しやすいようにセンサを用いて解説していきますね。
関連記事:『工場の生産ラインで必ず使用されている『センサ』について使い方や基本、配線方法など詳しく解説』
NPN出力タイプのセンサ
下記がNPNの出力センサでランプを使ってONとOFFを表した状態となります。
NPN出力センサは『茶』、『黒』、『青』の3本線となっています。
・『茶』⇒+側(電源)
・『青』⇒-側(電源)
・『黒』⇒出力
物体をセンサで検出すると、センサの主回路よりベース(B)からエミッタ(E)に電流が流れます。
そうすると、コレクタ(C)からエミッタ(E)間に電流が流れON状態となり、ランプが点灯となります。
このNPN出力タイプはコレクタ(C)からエミッタ(E)の方向に負荷電流を引き込んでいるのでこれを『シンク』、『シンク出力(シンクロジック)』と言い、またNPN出力タイプは『シンクタイプ出力』とも呼ばれます。
日本で使われるセンサの大半はこのNPN型が使われていますよ。
PNP出力タイプのセンサ
下記がPNPの出力センサでランプを使ってONとOFFを表した状態となります。
PNP出力タイプのセンサは物体を検出することでONとなり、エミッタ(E)からベース(B)に電流が流れる。
そうするとエミッタ(E)からコレクタ(C)へ電流が流れて、負荷のランプが点灯する。
このPNP出力タイプはエミッタ(E)からコレクタ(C)の方向に負荷電流を吐き出しているのでこれを『ソース』、『ソース出力(ソースロジック)』と言い、また、同じようにPNP出力タイプも『ソースタイプ出力』と呼ばれます。
この『シンク』と『ソース』は流れる電流の方向で区別しているので間違わないようにしてくださいね。
では次にこのNPN型とPNP型をPLCに接続する場合はどのようにするか説明していきたいと思います。
関連記事:『PLCシーケンサのハード図とソフト図の違いとは!?モータを使用した簡単な制御で紹介!』
NPN型をPLCに接続する場合
NPN出力タイプのセンサをPLCに接続した場合は下記のようになります。
NPN出力タイプの場合は『プラスコモンタイプ』の入力ユニットに接続してください。
PLCに接続した場合はこのように仮想的に入力リレーコイルが接続されている考えるとわかりやすいです。
前述で説明したNPN出力タイプの説明でいうと、この仮想リレーコイルがランプだと思ってください。
センサがONするとコレクタ(C)からエミッタ(E)の方向に電流が流れてコイルがONとなり,プログラム上の入力X0が動作するわけです。
ちなみにプラスコモンタイプの入力ユニットは電流が流れ出ているのでソース動作する入力ユニットとなります。
ややこしいですがしっかり覚えておいてくださいね。
関連記事『工場の機械制御によく使われている『PLC(シーケンサー)』とは何?また学べる参考書も紹介!』
PNP型をPLCに接続する場合
PNP出力タイプのセンサをPLCに接続した場合は下記のようになります。
PNP出力タイプの場合は『マイナスコモンタイプ』の入力ユニットに接続してください。
マイナスコモンタイプは電流が引き込まれているのでシンク動作をする入力ユニットとなります。
・NPN出力タイプのセンサ(シンク)の場合⇒ソース動作する入力ユニット(プラスコモンタイプ)の組み合わせ
・PNP出力タイプのセンサ(ソース)の場合⇒シンク動作する入力ユニット(マイナスコモンタイプ)の組み合わせ
このようにNPNとPNPで接続が変わってくるのでセンサやユニット選定時には気をつけるようにしましょう。
関連記事:『【シーケンス制御の基本】自己保持回路とは何?動作順序をつくるには組み合わせるだけ!?初心者向けに解説!』
まとめ
●✔NPNについて
・エミッタがN型半導体、ベースがP型半導体、コレクタがN型半導体で構成されているトランジスタのことで『NPN型トランジスタ』
・ベース(B)からエミッタ(E)間に電流を流すことで、コレクタ(C)からエミッタ(E)へ電流が流れる
・NPN出力タイプのセンサ
NPN出力タイプはコレクタ(C)からエミッタ(E)の方向に負荷電流を引き込んでいるのでこれを『シンク』、『シンク出力(シンクロジック)』と言い、またNPN出力タイプは『シンクタイプ出力』とも呼ばれる
・NPN型をPLCに接続する場合
NPN出力タイプのセンサ(シンク)⇒ソース動作する入力ユニット(プラスコモンタイプ)の組み合わせ
●✔PNPについて
・エミッタがP型半導体、ベースがN型半導体、コレクタがP型半導体で構成されているトランジスタのことで『PNP型トランジスタ』
・エミッタ(E)からベース(B)間に電流が流れると、エミッタ(E)からコレクタ(C)に電流が流れる
・PNP出力タイプのセンサ
PNP出力タイプはエミッタ(E)からコレクタ(C)の方向に負荷電流を吐き出しているのでこれを『ソース』、『ソース出力(ソースロジック)』と言い、また、同じようにPNP出力タイプも『ソースタイプ出力』と呼ばれる
・PNP型をPLCに接続する場合
PNP出力タイプのセンサ(ソース)⇒シンク動作する入力ユニット(マイナスコモンタイプ)の組み合わせ
私の工場で使用しているタイプはほとんどがNPN型を使用していますが、たまにPNP型で配線している箇所もあるので、間違わないように配線するようにしてくださいね。
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