右ねじと左ねじ(逆ねじ)の違いと見分け方
ねじに右ねじと左ねじがあるのは知っているでしょうか。
機械のメンテナンスをしている時に左ねじ(逆ねじ)となっている場合があります。
大体が右ネジなのですが、たま~に左ねじになっている時があり、一生懸命緩めているつもりなのですが、実は締めつけていたなんていうのが初めての頃はよくありました。
今回はこの右ねじと左ねじの違いと見分け方、また実際生産設備ではどのような所に使われているのかについて説明していきたいと思います。
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右ねじと左ねじの違い
一般的によく使われているのが『右ねじ』となります。
右ねじは『右に回すと締まり、左に回すと緩む』方向となります。
逆に左ねじは『左に回すと締まり、右に回すと緩む』方向となり右ねじとは逆になるので逆ねじとも言われます。
右ねじが多いのは右利きの人が多いからだそうです。ではなぜ左ねじ(逆ねじ)があるかと言うと、主な目的は『ねじの緩み防止』の為に使用されています。
例えばよく家にあるもので言えば扇風機などモーターで右回転する場合に右ねじ用のキャップを使って羽を固定すると羽が右回転をすると固定で使ったキャップには左回転の力が発生するので緩む方向となってしまいます。
そうならないように左回転の力が発生した場合に締まる方向となる左ねじ(逆ねじ)が使われています。
注意点としてナットにも右ねじと左ねじがあるので逆ねじのボルトに普通のナットは使用できないので覚えておきましょう。
関連記事:『ボルトやナットの緩み防止でよく使用されるダブルナット、Uナット、ネジロックについて』
右ねじと左ねじの見分け方
右ねじと左ねじを目で見て見分ける方法としては上記のように右ねじの場合はねじ山が『右上がり』となり、左ねじは『右下がり』となります。
実際メンテナンスをしている時にナットがなかなか緩まない時があり、ねじ山を確認すると左ねじだったという場合もあるので全く緩まない時にはねじ山の向きをよく確認してみてくださいね
関連記事:『プラスねじの頭がなめる(潰れる)原因と対策、また実際になめた場合の対処法について』
生産設備ではどのような所に使われているの?
・ローラーチェーン用ターンバックル
・卓上マルノコ
ローラーチェーン用ターンバックル
ローラーチェーン用ターンバックルはチェーンの張り調整を行う為のもので、特に私の工場ではサイズの大きいローラーチェーンの張りを調整する場合によく使用されています
ターンバックルの両端にローラーチェーンが取りついていてナットを緩めた状態で真ん中のジョイントナットを回すと張ったり緩めたりすることができます。
この時に一方は右ネジでもう一方は左ネジ(逆ねじ)となっています。
メンテナンスでローラーチェーンの張り調整をする時にはロックしてあるナットを緩めてから調整を行いますが、このナットを緩める際によく逆に回してしまう時があります。
その時に前述で説明したねじ山を確認することでどっちに回せばいいかがわかるかと思います。
卓上マルノコ
卓上マルノコの刃物を固定するねじは左ねじ(逆ねじ)となっています。
これは前述で紹介した扇風機の固定用キャップと同じで刃物は右回転となるので固定用のねじは緩まないように左ねじ(逆ねじ)となっているので回す方向に注意してください。
よくあるのが手で持つタイプの丸ノコで同じよう左ねじ(逆ねじ)だと思い回していたが結局右ネジだったなんてこともあるので、取扱説明書をよく読み、また刃物が回転する方向をよく確認して固定ねじを回すようにしましょう。
まとめ
【右ねじ】
・右に回すと締まり、左に回すと緩む方向
・ねじ山が『右上がり』
【左ねじ】
・左に回すと締まり、右に回すと緩む方向
・ねじ山が『右下がり』
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