エアシリンダーが突然動作しなくなった!原因は?
エアシリンダーが急に動かなくなるというトラブルが発生しました。
エアシリンダーは生産工場ではよく使用されているのでトラブルも多いのではないかと思います。
今回はエアシリンダーが突然動かなくなった時にどの部分を確認して原因を特定していったのか実際に行った内容など紹介していきたいと思います。
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トラブル状況説明
トラブルとなった状況は加工動作が完了した後にエアシリンダーが上昇しないといけないのがワークを押さえたまま突然動作しなくなり異常停止となりました。
下記図のような状態です。
※エアシリンダー・・・圧縮空気の力で伸縮動作するもの
上記のように突然エアシリンダーが動作しなくなるトラブルはよくありますが、このような状態となった場合どこを確認していけばいいか最初は迷うことが多いかと思います。
生産がストップしてしまうと作業者の手が止まってしまい焦ってしまうかもしれませんが、焦ると混乱して余計わからなくなってしまうので注意が必要です。
エアシリンダーが動かなくなるだけでも確認するべきポイントはたくさんあるので順番に見ていきましょう。
関連記事:『シングルソレノイドバルブとダブルソレノイドバルブの違いとは?ラダー図も使って説明!』
確認するべきポイント
【確認ポイント】
①AS(オートスイッチ)が点灯していないか
AS(オートスイッチ)はピストンに内蔵されているマグネットによって動作するピストン位置検出センサーのことでシリンダーの位置確認のため設置されています。
よくトラブルとなるのがこのASが誤作動を起こし、上昇となっていないのにASが点灯することで上昇していると判断してしまう事があるので確認してみてください。
②圧縮空気(エアー)は正常か
エアシリンダーは圧縮空気を使用して動作を行っているので、そもそも圧力がない場合は動作しないので圧力計などで確認してください。
③電磁弁に電圧は正常か
電磁弁(ソレノイドバルブ)は電気信号によりエアーの流れる方向を切換え、エアシリンダーを動作させるので電圧が正常にきているかテスターを使い確認します。
④電磁弁は切替わっているか
電磁弁は中のスプール弁やポペット弁などが動くことでエアーの流れる方向を切換えているのでこの弁が正常に動いているか確認をします。
確認方法はエアーが流れていない方のエアホースを取り外した状態で電磁弁をONさせるとエアが噴き出すので正常に切替わっているかが分かるかと思います。
⑤エアシリンダのエアー漏れはないか
エアシリンダーの中のパッキン不良によりエアー漏れが発生し動作しない場合があるので確認してください。
下記図が確認方法です。
このようにエアー供給していない方のホースを外し、エアー漏れがあればパッキン不良と判断できます。
他にも確認するべきことはあるかと思いますが、エアシリンダーの不具合では主にこの5点で動作しないことが多いかと思うので確認してみてくださいね。
関連記事:『テスターの使い方実際現場で使用している分かりやすく解説』
実際のトラブル原因と対処法
前述で紹介した5点を確認した結果、『電磁弁が切替わっていない』ことが原因でトラブルとなっていました。
電磁弁が切替わらない原因は中に入ったゴミや経年劣化が考えられますが、修理時にそこまでの判断をすると、復旧する時間が大幅に遅れてしまうのでこの場合はすぐに『電磁弁本体を交換』するようにしましょう。
たまに電磁弁の中を清掃して正常に動作する場合もありますが、ほとんどそれで復旧しないことの方が多くその清掃時間分復旧時間が遅れるので私はすぐに電磁弁本体を交換し、復旧させました。
復旧させた後でゆっくり電磁弁の確認をすればいいので少しでも早く復旧させることを考えましょう。
生産工場でのトラブルの場合、少しでも早い復旧が求められます。
ですのでトラブルとなった場合に適正な判断ができるようにしっかり覚えていきましょう。
関連記事:『シングルソレノイドバルブ(電磁弁)は電源投入、停電時の動作に注意!ラダー図(PLC)での対策方法!』
まとめ
✔エアシリンダーが動かなくなった時の確認ポイント
①AS(オートスイッチ)が点灯していないか
②圧縮空気(エアー)は正常か
③電磁弁に電圧は正常か
④電磁弁は切替わっているか
⑤エアシリンダのエアー漏れはないか
以上。
エアシリンダーが動かない場合はこの5点を特に重点的に見れば原因がわかるかと思うのでぜひトラブル時は確認してみてくださいね。
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