【PLC回路でのトラブル】ワークがストッパ停止時に位置がずれる!?なぜ?ワーク検出はタイマを使う
先日、ワーク(加工対象物)がストッパに停止時、位置がずれ、加工寸法異常がたまに出るようになりました。
加工寸法異常の場合、もう1度加工をやり直さないといけないのでその時間分生産に影響が出てしまいます。
これが1日数回異常となるだけでもかなり生産に影響出てしまいますよね。
今回はなぜそうなったのか?原因や対策など紹介していきたいと思います。
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トラブルとなった状況説明
トラブルとなった状況は下記のようになります。
トラブルとなった状況は上記のようにワーク(加工対象物)が搬入して、ストッパに当たったところで、ワークを押さえて加工するのですが、このストッパとワークの間に隙間がある状態で加工していた為、加工位置のズレが発生していました。
もちろん毎回ではなく隙間が空いている時と空いていない時があるので空いている時だけ寸法異常となります。
ではなぜそのような原因となったか説明していきますね。
関連記事:『工場の生産ラインで必ず使用されている『センサ』について使い方や配線など基本を解説!』
寸法異常となった原因とは
寸法異常となった原因としてはストッパに当たりその反動で少し戻ってしまうためワークとストッパの間に少し隙間が空いていました。
分かりにくいと思うので下記の図で説明しています。
寸法に加工する場合は0.1mmのような精度ではなく1mm~2mmぐらいの許容範囲はある事を前提に説明しています。
0.1mmぐらいの精度ではこのようなやり方では精度は出ないのでその辺を考慮しておいてください。
ではなぜこのように隙間がばらつくかというとワークの大きさや重さにより隙間が変わってしまう時があるのです。
このような事を想定して回路も考えなければいけません。
回路を確認すると不具合があったので下記にその不具合回路や対策等紹介していきますね。
関連記事:『非常停止が誤動作?その原因はパワーサプライかも!?その理由を説明』
不具合の回路(ラダー図)
下記が不具合の回路となります。
【動作説明】
①前工程より完了信号M10がONとなりM20のコイルがONで自己保持回路となり、同時にモータ運転Y1がONとなる。
②ストッパに取りついてある到達センサX0が検出(ON)後、『すぐにモータ停止となるセンサX0のb接点がON』となり、Y1のモータ運転が停止となる。
このようにセンサが検出したと同時に出力モータの運転を停止にしてしまうと、ストッパに当たって少し戻ってしまった場合にその位置で停止となってしまいます。
その状態で押さえて、加工してしまうと寸法異常になってしまう可能性が出てきてしまいます。
対策としては『センサの検出した信号は1度タイマで受けてその接点を使う』方がいいですよ。
では下記で説明していきますね。
関連記事:『【三菱】PLCのラダー図で使用するタイマの使い方は?回路例も紹介!また他にも4種類ある!?詳しく解説!』
対策用回路(ラダー図)
下記が対策用回路となります。
【動作説明】
①前工程より完了信号M10がONとなりM20のコイルがONで自己保持回路となり、同時にモータ運転Y1がONとなる。
②ストッパに取りついてある到達センサX0が検出(ON)後、『タイマのコイルがONとなり0.5秒後モータ停止となるb接点T10がON』となり、Y1のモータ運転が停止となる。
センサ検出(ON)後は上記の回路のように1度タイマを入れておく事で、すぐにモータは停止とならずに0.5秒間はモータが動くので、ストッパの隙間は改善前(不具合回路)よりもなくなりました。
他にもセンサがゴミなどでチャタリングする場合もあるのでそのような時にはタイマを入れる事で不具合をなくす事ができますよ。
関連記事:『【三菱】PLCラダー図のカウンタの使い方!実際の回路例も交えて分かりやすく紹介!』
まとめ
生産現場でセンサはほとんど使われていると思うので、今回のようにもう少し前詰めしたい場合やチャタリングして不具合になる場合はぜひ試してみてくださいね。
またカウンタなどで数える時にチャタリングする場合の対策としても使えますよ。
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