カップリングのセットスクリュウを締め付けてもすぐに軸がガタつく!?原因と対策について
今回カップリングでセットスクリュウ(押しねじ)を締め付けても軸がすぐにガタつきトラブルが多発していました。
特に軸が少しガタついてしまうだけで寸法が変わってしまう箇所ではしっかり軸が動かないようにしなければいけません。
今回はカップリングでセットスクリュウ(押しねじ)を締め付けても軸がすぐにガタついてしまう原因とまたどのような対策を行ったかについて紹介していきたいと思います。
⇒機械保全について私が参考にしたものを『【実践向け】機械の保守・保全作業が学べるおすすめの本』で紹介しているのでぜひこちらもご覧ください。
カップリングとは
カップリングとは軸と軸をつなぐ部品でモーターの軸を延長したい場合やボールねじなどに動力を伝達させる時などによく使用されています。
カップリングには『オルダムタイプ』『スリットタイプ』『ディスクタイプ』『リジットタイプ』等いろいろな種類があるので必要なトルク、許容ミスアライメント(軸心のズレ)、などを考慮して選定しなければいけません。
また、締結方法にも『キータイプ』『セットスクリュウタイプ』『クランピングタイプ』『スプリットタイプ』などがあるので用途に応じて選定が必要です。
この中で今回トラブルとなったカップリングは『リジットタイプ』で本体とねじによる締結部のみのシンプルな構造をしたもので締結方法は『セットスクリュウタイプ』となります。
ではこのカップリングでどのようなトラブルとなったか説明していきますね。
トラブルとなった状況説明
上記のように駆動軸側が停止しても従動軸側がガタつくことで寸法がズレてしまいトラブルとなりました。
セットスクリュウ(押しねじ)を増し締めしても時間が経過すると同じような状態となってしまいます。
ではガタつく原因とどのように対策をしたかについて説明していきますね。
関連記事:『ボルトやナットの緩み防止でよく使用されるダブルナット、Uナット、ネジロックについて』
原因と対策について
【原因】
上記のように軸に直接セットスクリュウ(押しねじ)を締め付けていたので外力によるガタや空回りの原因となっていました。
【対策】
上記のように軸に座ぐり、溝(Dカット)などを加工することでしっかり締め付けることができます。
また、高負荷でしっかり締結したい場合にはキー溝加工をすることでより強固に固定することができます。
注意点としては座ぐりや溝(Dカット)加工することで軸の強度が低下してしまうので加工する深さなど注意するようにしましょう。
特にトルクが必要な箇所でセットスクリュウを使い締結する場合、加工せず軸に直接締め付けないようにしましょう。
まとめ
このようにトルクがかかる箇所にセットスクリュウ(押しねじ)で位置決めする場合は軸にそのまま直接締め付けてしまうとガタや空回りの原因となり、また軸にもバリが出てしまい取り外しにくくなってしまいます。
トルクがかかり軸がすぐに動いてしまいしっかり固定できない場合には軸に加工が必要となるので確認してみてくださいね。
こちらも一緒にチェック↓