電磁開閉器サーマルリレートリップ信号の取り込み方をPLCのラダー図とシーケンス図を使って紹介!
電磁開閉器のサーマルトリップは聞いたことありますよね。
設備機械でモータを動かす時にはよく使用されています。
このサーマルトリップを取り込むことでモータが破損しないように保護をするので間違えて配線などした場合は大変なことになってしまいます。
ですのでしっかり保護をする為に今回はこのサーマルトリップの取り込み方をPLCのラダー図とシーケンス図で紹介していきたいと思います。
⇒PLCやシーケンス制御、電気保全について私が実際使用して学んだものを『電気エンジニアが教える!技術を学べるおすすめ参考書』で紹介しているのでこちらもぜひご覧ください。
サーマルリレーの説明
【サーマルリレー】
モータの負荷電流が過電流検知部を通る構造で、過電流によってヒータがバイメタルを加熱し、引き外しレバーが接点を動作させる熱動作型継電器で、焼損するのを防止する機器のこと
サーマルリレーは電磁接触器と組み合わせて使用されます。
下記がサーマルリレー部分となります。
サーマルリレーで注意しなければならないことが、過電流になるとブレーカのように遮断する機能はありません。
動作としては過電流が発生すると中のバイメタルが湾曲し、押し板が動くことで接点を開閉するのでこの接点を使って回路を遮断しないといけないわけです。
勘違いしやすいので覚えておいてくださいね。
では、下記でその接点の使い方をラダー図とシーケンス図で順番に説明していきたいと思います。
参考記事:『電磁開閉器を使ってモーターを動かしてみよう!実際の配線方法!』
シーケンス図での取り込み方
シーケンス図での取り込み方は下記のようになります。
【動作説明】
①スタートPBを押すとMCのコイルがONでモータ運転となる。
②MCのコイルがONすると、MCの補助接点がONとなり、自己保持となる。
③ストップPBを押すと自己保持回路が解除となり、モータ停止となる。
シーケンス図でのサーマルトリップの取り込み方は上記のように電磁接触器のコイルの前にサーマルのb接点(青丸で囲った部分に接続)を入れます。
そうすることで過電流が流れた時に開となりコイルに電圧がかからなくなるのでOFFとなります。
復帰したい場合は上記のリセット部分を押すと復帰となりますよ。
【リセット時の注意点】
必ず過電流の原因を取り除いて復帰するようにしてください。
原因を取り除いていないのに復帰するとモータにもよくありませんし、サーマルもバイメタルが熱で湾曲したままになってしまいます。
そうなった場合、余計復帰に時間がかかってしまうので注意が必要です。
参考記事:『シーケンス制御の基本を初心者向けに電気エンジニアが解説』
PLC(シーケンサ)での取り込み方
まずはサーマルリレー信号をPLCに取り込む為にはハード部分とソフト部分に分けて考えていかなければいけません。
【ハード図】
制御盤の電源からPLCの『入力部』と『出力部』などラダー図以外すべての電気接続回路図のこと
【ソフト図】
PLC内部でつくる制御プログラム(ラダー図)のこと
PLCラダー図はこのハード図の入力と出力番号に合わせて作っていくので必ず必要となります。
順番としてまずハード図をつくってからラダー図の作成となるので覚えておいてくださいね。
参考記事:『PLCとは何?学べる参考書も紹介』
ハード図の作成方法
下記がハード図の作成方法です。
ハード図では上記のように入出力を分けて作成します。
このハード図に従って実際配線を行っていきます。
終わった後はマイナスドライバー等使用して手動でサーマルトリップができるので接点がちゃんとONしているか確認してみてくださいね。
ソフト(ラダー図)部分での回路例紹介
下記がラダー図の回路です。
ポイントとしてはM0に他の異常も入れておくことで、異常をMO一括でまとめられ、ステップ数も減るのでわかりやすくていいですよ。
まとめ
理解できたでしょうか?サーマルトリップはこのように信号を取り込むことで保護ができます。
前述したようにサーマルは接点を利用して保護をするものなのでそのままサーマルに接続しただけでは保護はできないというのを覚えておいてくださいね。
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